「でも…先輩。1点入れるには、ボール打たなきゃ。」
航。
「うん。セーフになんなきゃ、駄目だよね~~。」
「そうそう。」
「でも…、海野君、凄いよ。」
「えっ…???」
「まさか…、打って、あんなとこまで…。」
「えっ…???」
可南子の顔を見ながら航。
「私とカヨ、見上げてた。」
その声にまた航、
「見上げて…た…???」
可南子、
「うん。わっ!!!」
いきなり顔の前に右手人差し指を突き出して。
その瞬間、航もその方向に顔を…。
「えっ…。」
可南子、
「うそ…。」
航、
「マジ…???」
数分後。
「な…。なんで…、こうなる…。いっ…。あ~~。」
顔を顰めながら可南子。
「冗談だろ。なんでこの時間、こんな…混むん…。わっ。押すなって…。」
航。
可南子、
「きっつぅぅぅぅぅぅ。」
電車の入り口のバーにしっかりとしがみ付いて可南子。
「うわっ。」
自然にそんな可南子に変な力が加わらないようにガードするような体勢の航。
「先輩…???」
可南子、
「う…うん…。大丈夫。ありがと。海野君、背ぇ高くて、助かった。」
航の顔に顔を少しだけ振り向いて可南子。
航、
「はは。わ~~。」
可南子、
「ひゃ。」
全体が右に一気に揺れて、その瞬間に可南子が摑まっていたバーから手が離れて、
体が半回転したようになり、自然に航の体に。
「おっと…。」
可南子、
「ご…、ごめん…。」
「大丈夫…???」
そう言いながら可南子か倒れないように、可南子の背中に左腕を回す航。
可南子、
「だめだ…。手…届かない。」
あと10センチ。バーに手が届かないのだ。乗客から押されていた。
完璧に、航の体に可南子の体も密着状態。
それに、動ける状態でもなくなっていた。
しかも、可南子の後ろのかなり太目の女性の背中とお尻で、
可南子の背中が押されるように…。
その瞬間、可南子、目をキョトンとして、
「ひゃあ。」
航、
「…ん…???」
可南子、ようやく出した右手、人差し指で、目をキョトンとさせながら後ろを差す。
それを見て航。思わず、
「ぷっ。」
可南子、
「お~~。お~~。お~~。何、この感触…???」
航、顔を右に向いて、
「くっくくくくく。かかかか。」
可南子、
「いや…。だって…。」
「わ~~。お~~。」
また…揺れて。
その瞬間、可南子、
「わっ。」
必然的に航、吊り輪にがっしりと摑まりながら、左腕で可南子を抱き締めるように。
「先輩…。」
可南子、
「なんとか…。うん。大丈夫。」
もはや…。必然的に可南子の両腕は航の背中に回っていた。
「しっかり摑まってて。もうすぐ着くから。」
初めて感じる女性の体の感触。
しかも、自分の腹部の上に顔をピッタリと付けなければならないと言う状況。
航の身長が約180cm。そして可南子の身長が約150cm。
であるが故に。必然的に…。
可南子、
「うわっ。また…このオバサン。きっつぅぅぅぅぅ。」
顔を顰めて。
航、
「かかかかか。」
そんな航に可南子、
「笑うな。」
口を尖らせて。
航、笑いながら、
「はいはい。」
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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
