「なんか…。言いにくい…。」ぼそりと航。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 航、ほんのりと赤くなりながら、そして頭を掻きながら、
「え…。え~~。」

「可南子ちゃんも、先輩じゃ…って言ってるんだから…。航。」
左近。

「なんか…。言いにくい…。」
ぼそりと航。
「いや…。先輩に、妹がいるでしょ。俺と…クラス、一緒なんだよな。…その子の事はいっつも、矢島って、言ってるんだけど…。」

和樹、その航の声に、
「あっ。そっか~~。そう言えば…。うんうんうん。」

「ふんふんふん。な~るほどね~~。そりゃ…、言いにくいわ。…と言っても、矢島…さん…。じゃ…、ちょっと変だろ。」
左近。

航、少し、モジモジしながら…。
可南子の顔をチラリと見て、目を閉じて、困った顔をして…。そして頭をコクリと、
「はい。がんばります。」

「はははは。なんで、がんばります。なんだよ、こいつ~~。」

美和、にっこりと、顔を斜めにして航を見て、
「ふふ。」

そんな美和を見て和樹、
「ん~~~???」

「さて…。んじゃ…始めよっか。璃子からメッセージが来てる。来月、ステージ、あるぞ~~。」


2時間半のリハーサル。

そして、航と美和、可南子の3人は部屋を出る準備をして。
航、
「お疲れでした~~。」

美和、
「お疲れ様でした~~。」

その声に釣られて可南子、
「お…つかれ…でした~~。」
目をキョトンとして。

左近、和樹、
「お疲れ~~。」

ドアの外。
可南子、
「おつかれ…なんて…、初めて言った。わお。」

航、
「ははは。じゃ、行こか。」

駅までの道。あれこれ3人でお喋りしながら。駅の改札を抜けて…。

やがて美和、
「じゃ、私…、こっちだから…。またね、お疲れ~。海野君、可南子ちゃん。バ~イ。」

「あっ。はい。さよなら…。お…つかれ…さま。バイバイ。」
美和に手を振る可南子。

航、
「お疲れ様~~。」

自然にふたり一緒になって歩き出す。階段もふたり一緒に。
そしてホーム。あちらこちら正反対の景色を見るふたり。
けれども、向かう方向はふたりとも同じ。必然的にホームの椅子に。
可南子から。そしてその隣に航…。の…はずが、航、立ったままで…。
電車の来る方に顔を…。

「さすが、スポーツマン。立ったまんま…。」
可南子。

「えっ…???あ~~。」
ジ~ンズの後ろポケットに左手を突っ込みながら航。
「もぅ~~。習慣になってる。立ったまんま。はは」

「野球かぁ~~。あんまり…ルール…分かんない。へへ。」

「へっ…???先輩…野球…知らないんだ…???」
可南子の顔を見て航。

「知らないんじゃないよ。ルールが分かんないだけ…。ホームベースを踏めば、1点入るでしょ。」

その可南子の声に航、
「えっ…???あ~~。あ~~。確かに…。はは…」
そして頭の中で…、
「…おぃ。」
 

 








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