弓道着に着替えて廊下を歩きながら紗枝、茉優に、
「茉優…。あんた、憲に…。」
茉優、
「…ん…。うん。」
「…でも…、その顔じゃ…。」
茉優、
「今…、何も…言いたくない…。」
「茉優…。」
紗枝、頭の中で、
「憲…、まさか…茉優…???」
練習中、何とか集中力が冴えて来た彩萌。けれども今度は茉優の集中力が…。
史江、
「ちょっと…。何…???茉優…、なんか…泣いてない…???」
彩萌、いきなり、
「茉優!!!」
頭をダラリと…。そのまま、腰を落とす茉優。
憲央、いきなりビクン。
栞奈、要次、甫が茉優に駆け寄り、
「どうしたの、茉優。」
「おぃ。大丈夫か…???」
「どこか、具合でも…???」
可羊子、レミ、
「茉優…さん…。」
紗枝、
「茉優…。」
ゆっくりと憲央の顔を見て…、
「……。」
茉優、教師陣に、
「だい…じょうぶ…、です。すみません。」
栞奈、
「具合…悪いの…???」
そんな栞奈に首を振る茉優。
「少し、休んでなさい。」
栞奈のその声に頷き。栞奈、自然に彩萌の顔を…。
彩萌、頷いて立ち上が…。
それより先に紗枝が立ち上がり茉優に向かって脚を…。
彩萌、
「紗枝…。」
栞奈に紗枝、
「私が…。」
栞奈、
「うん。ありがと。」
壁の傍で紗枝、茉優の肩を抱きながら、小さな声で、
「だめ…だった…か…。」
まだ前を見る事が出来ない茉優。
「でも…、憲の事…、責めらんないよ。」
その紗枝の声に茉優、頭をコクリと。
「憲、好きな子…いたか~~。」
その紗枝の声に茉優、少しだけ紗枝の顔に、
「えっ…???」
「これも…、私の…勘…だけどね~~。」
「紗枝…。」
小さな声で…。
「でも…、憲から…、まだ、返事…聞いてない…。」
紗枝、
「へっ…???」
茉優の事で部員たちが少し動揺するかと思ったが…。
確かに、その余韻もありながらも、けれども、2年の射込みに要次、
「ん~~。中々~~。」
甫、
「いい感じですよね~~。」
そして1年。
「天晴れ。ははは。矢島~~。いいぞぉ~~。」
そして栞奈、
「ふふ…。これも…相乗効果かな…。ようやく…芽…、出してくれたかな。はは。カヨッチパワー。うん。」
「おかあさ~ん。じゃ、行ってきま~す。」
台所に顔を出して可南子。
「あ~~。行ってらっしゃい。帰りは…どうなの…。遅くなるの…???」
可憐。
「う~~ん。まだ分かんない。初めてだから、練習。」
「ふん。じゃ、もし遅くなるようだったら、連絡頂戴。」
「うん。分かった。じゃ。」
可南子、初めてのバンド練習である。
自由が丘駅、電車に乗り、空いている場所に座り、
バッグを傍に置いて向かいの電車の窓を…。
景色を…、そんな景色を見る目を遮るようにひとりの男性。
可南子、頭の中で、
「わっ。ギター入っているバッグ…。やっぱり…いるんだ~~。」
と、思い、その男性の後姿を追いかけて、その時、
「はっ…???あれ…???」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
