少しだけ自分の前を歩く茉優に憲央、
「茉優…。」
そんな憲央に振り向いて茉優、
「ふふ…。」
「はっ…???おま…、泣いてんのか…???」
茉優、
「ばか、…んな訳ないじゃん。」
左人差し指で左目尻をサラリと拭き取りながら。
憲央、
「はは。そか。」
「憲…。私、憲、好き。」
「はは、ありがとうな、茉優。彩…。」
鼓動が高鳴る茉優。
「えっ…???」
憲央、茉優を見て。
「憲の事、好き。」
自分で何を言っているのか、目をあちらこちらに…。
その瞬間茉優、頭の中で、
「…言っちゃった~~。言えた~~。」
憲央、
「えっ…???あっ…。いや…。はい…???」
目をキョトンと…。今、自分が何を言われたのか…。
「憲っ!!!」
茉優。
「えっ…???えぇぇぇぇぇぇ~~。茉優…。俺…???…いやいやいや。うそ。今…なんて…???」
茉優、
「……。」
「うそだろ、茉優。おま…。なんで俺…???…おま、彼氏…いるん…。」
その憲央の声に茉優、
「はっ…???」
「いやいやいや。紗枝に大学生の彼氏いるのに、おまえに彼氏いない訳、ないだろ。」
茉優、憲央が何を言っているのか分からず、
「は…あ…???」
「いや。だって、俺や彩萌や史より、もの凄い大人っぽいのに、彼氏…。」
「えっ…???えぇぇぇぇぇぇ…???」
「えっ…???…まさか…。うそ~~~。んなはず、ない。ないないない。絶対にない。」
「の~~りっ!!!」
その茉優の声に憲央、
「ん…。」
「私…、彼氏…いないよ。」
憲央、
「うそだ~~~。こんなに綺麗なのに…。」
言ってしまって、
「あっ…。」
「ん…。ありがと。素直に…嬉しい。でも。でもでも、私、紗枝みたいに彼氏なんて…いないよ。」
「茉優…。」
「ずっと、憲…、見て来た。…で…。」
少し鼓動の高鳴りが収まり始めてきた茉優。
「憲が…好きって…。」
その時、憲央の頭の中にチラリと過った記憶。
「茉優……が、俺…???」
茉優、
「……。」
「全然…想像…付かないけど…。…ってか…、誰か、かっこいい人と、付き合っているもんだとばかり。信一や、史だって、茉優の事、そう思ってんだぜ~~。」
茉優、
「……。」
「び~~っくり。」
茉優、憲央を見て、
「…ん…。もういい。」
くしゃりとして茉優、そのまま身体を民宿の方に向けて走る。
憲央、
「えっ…???おぃ…、茉優…???」
そして、
「もぅいい…って…???俺…、何か、悪い事…言ったか…???」
頭を傾げるように…。
茉優、玄関に上がって、そのまま…。
加代子、
「あら。お昼休み…終わった…???」
数枚のタオルを両手に持ちながらにっこりと。
そんな加代子の前、口を右腕で押さえるように小走りの茉優。
加代子、
「…あれ…???」
目をパチクリと…。
暖簾を潜り出てきた栄造。
「おぅ。かあさん。」
加代子、
「なんか…、学生さん、走って行っちゃった…。」
栄造、
「は…ぁ…???」
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庄司紗千 きっと大丈夫
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