「彩萌~~。少しは…気分…スッキリしたか~~。茉優にも知られて~~。」
こちらも正座をしたままで、1年の射込みを見ながら憲央。
「シッ。史にも聞こえる。」
顔の向きを変えずに彩萌。
「けどさ~~。もしかしたら…、茉優の事だから、紗枝に、話してんじゃねぇか~~。大親友だろ、あのふたり。」
そんな憲央の声に彩萌、
「う…、うん。」
「多分…さ。俺の勘なんだけど…。おまえが田所先生の事、好きだって事。みんなに知れるのって、時間の問題かも…。」
顔を顰めながら彩萌、
「憲っ!!!」
「な~~に、ぶつぶつ言ってんのよ、ふたりして~~。」
史江。
「あははははは…。さすが、可羊子。うん。ははは。頼もしい限り。はは。」
憲央、そんな彩萌の声に、両肩を落とし、鼻で、
「ふぅ~~。」
そんな憲央から少し離れた場所で正座のまま信一、
「カヨちゃ~~ん。」
憲央、左手を顔に、
「…って、こっちは、こっちで…。信一~~。」
手の平を顔にクスクスと…。
憲央、頭の中で、
「…カヨちゃんか~~。矢島可羊子。…あっ。お腹…大丈夫だったかな…。」
思いがけずに自分の膝に納まった、ひとりの女の子。
地面に落ちると思い、無我夢中だったけれど、初めて感じた、異性の体の感触。
そしてある意味、急接近した異性の顔。
「憲。自主練だって。」
左肩をトンと叩かれ、
「えっ…???お…おぅ…。」
その相手が茉優。
「なんだか…、考え事…してたけど…。」
そんな茉優に憲央、
「あっ、いや…。別に…。茉優、おま…。」
間髪入れずに茉優、
「憲。話がある。後で良い…???」
その茉優の声に、
「はな…し…???」
お昼の食事の後に、居間から玄関に。そして外に。
歩きながらの憲央と茉優。
「なに、話しって…???」
憲央。
「あっ。その前に、憲、ごめんね。」
「何が…???」
「彩萌の好きな人。」
「田所先生…???」
「うん。内緒って言われたけど…。」
「もしかして…。」
「紗枝…、知ってた。」
「やっぱり…。」
その時憲央、
「へっ…???…知ってた…???…どういう事…???」
「紗枝なりに、いつもと様子が違う彩萌…気になってたんだって…。そしたら、自然に、田所先生に…辿り着いた…そうな…。」
アスファルトに落ちている小さな棒切れをシューズの先っぽで蹴飛ばして茉優。
憲央、
「ふぅ~~ん。さすが、紗枝。鋭い…ってか~~。」
「でも…、それが昨日、みんなとお風呂に入ってた時だから…。」
「あっちゃ~~。やっちまったか~~???」
「多分…。史も、カヨッチたちも…。2年の子たちも…。」
「う~~わ~~。」
「でも…、みんな…彩萌、好きだから…、多分、大丈夫じゃない…。」
「何、大丈夫じゃないって…???」
少し間を置いて茉優、
「支えてあげようよ。例え、無理でもさ…。」
少し、目を潤ませて茉優。

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。