午前の練習。
「うん。何とか小塚、前みたいに…。元に戻ったようですね。」
要次。
その声に栞奈、
「えぇ…。なにかしら…。気分が晴れた…と言うか…。でも…田所先生…。」
「えっ…???」
「元に戻られては…困ります。」
にっこりとして栞奈。
「前に進んでもらわないと…。」
「あっ…。」
そして頭を掻きながら、
「これは…失敬。その通りで…。」
「友達。仲間。いいもんですね~~。」
いきなり甫。
栞奈、要次、
「えっ…???」
「あいつら見てると、な~んか…そんな風に…。いや。昨日、夕食後に居間で定岡たちと会いましてね~。矢島と小波渡…いたな~。それに松森。それから今谷、佐上。」
栞奈、要次、
「……。」
「定岡にも小塚、大丈夫か…。って聞いたら、一言。確信を持ったように、大丈夫です。って。」
要次、
「ほぅ~~。ほほほぅ~~。」
栞奈、にっこりと。
「この弓道部には…、なんて言うか、先輩後輩の垣根って…、あんまり…感じないんですよね~~。1年と3年の隔たりを感じない。当然ですけど、1年と2年。2年と3年も然り。」
栞奈、
「喜んで…、良いんですよね。湯上先生…???」
笑顔で…。
「もちろんですよ~竹脇先生~~。バレー部にも、欲しいくらいですから~~。」
茉優、
「彩萌、なんだか…スッキリした感じ…。」
紗枝、
「へっ…???…あ~~。ん…まぁ~~。」
「ねね、紗枝。」
「ん~~???」
「彩萌の好きな人…。知ってる…???」
そんな茉優に紗枝、いきなり、
「え…へ~~???どうしたのよ、いきなり…。」
「昨日の彩萌の…ちょっとした…、変化…。」
正座のままで小さな声で話す茉優と紗枝。
射込に集中している3人に茉優と紗枝の姿は目に入らない。
「彩萌の好きな人…。」
茉優。
紗枝、
「多分、田所先生でしょ。」
その声に茉優ドキン。
「うそ!!!!知ってたの!!!」
「ばか。気付かれる。」
「あっ。」
「まっ。私の…勘が…。はははは。当たっちゃった…ってか…。…ってか、なんで茉優がそれ…???」
「…ん…???ん~~。ま…ね…。」
「それより、あんた…。茉優…。」
「ん。ん~~。ふぅ~~。」
「悠長な事、やってる場合か。合宿、今日と明日だけなんだよ。」
そんな紗枝に茉優、
「はい。頑張ります。」
1年の射込みが始まった。
「ん~~~。」
腕組みをして要次。
「大した、集中力だ。」
栞奈、
「可羊子ちゃん…???」
「…ん…???えぇ~~。なんだか…、見ていて、鳥肌…立ちますよね~。1年でこれほどまで…。」
甫、
「オ~ラって…やつですか…田所先生…???」
「いやはや…。頼もしい限りです。」
「不思議ですよね~~。彼女が弓道部入ってから、何かしら…雰囲気、変ったって言うか…。お姉さんの可南子さんも…。凄いですけど…。」
「矢島…姉妹…ですか…。」
要次、甫、ふたり同時に…。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。