「へぇ~~。いや~~。そんな事があったのかい。」
知寿子の話を聞いて小枝子。
知寿子、
「うん。」
「道理で浩…、前…かなり落ち込んでいた事…あったわ…。かと思ったら、今度は全く正反対。何と、侑佳さんと会ってたなんて…。でも…、じゃ…、今…侑佳さん…???」
知寿子、
「それが…、もう…旦那様とも…。」
思わず小枝子にVサインを見せて。
「へぇ~~そうかい、そうかい。」
浩一、電話の向こうの古賀芳美の話を聞きながら、
「うそっ。それって……。」
芳美、
「うん。そういう事だから…。こうして、木本さんに…打診している訳…。決して…、悪い話じゃ~ないはず…。」
「はい。分かりました。…でも、まさか…、そんな事が現実に…。」
「うん。…でも…、彼女たちにしてみれば、これが…ビジネスよ。私の知っている彼女たちなら、それこそ…、可能にしちゃうのよ。」
「……。」
「良い、木本さん。ひとつだけ言っておくわね。」
その芳美の声に浩一、
「えっ…???」
「絶対に。麻衣子ちゃん。放しちゃ駄目よ。」
「古賀…さん…。…えっ…、どうして…それ…???」
「ん~~。まぁ…ねぇ~。私にも、ある意味…強力な…情報網は…、ありますから~~。私ら4人も…、麻衣子ちゃんと木本さん…、応援してるんだから…。そこんところは…よろしく~~。」
「4人……。」
浩一の頭の中にふと過るその数字。
「あっ。」
そして、何かしら、瞼が熱く…。けれども、すぐに、
「はい。分かりました。…ありがとうございます。」
芳美、スマホを耳に、
「じゃ、また。…ふふ…、いつか…ふたりで、お店…いらっしゃい。大歓迎でご馳走してあげる。しっかりと、三ツ星の味、味あわせてあげるわ。」
浩一、天井を見上げて、
「はい。ありがとうございます。その時は、是非。うん。それじゃ。」
芳美、
「うん。」
電話が切れる。
浩一、
「ふ~~~。」
背筋を伸ばして。
リビングで芳美。こちらも、
「ふ~~~。」
そして両肩を落として、
「まさかね~~。こういう展開になるとは…。紗理奈…、瑛梨香…。やってくれる~~。」
浩一、頭の中で、
「…と、言う事は、今までの忙しさって…。」
空を見るように…、
「まさか…、そんな事って…可能なのか…???……でも…、現実に…起きてる…。」
そして…、椅子から立ち上がり、後ろを振り向いて…、
「悠さん…。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。