アティレの店内を楽しそうに眺めながら、ゆっくりと花を見て、
その匂いを嗅いでいる女性。
「ん~~、いい香り~、ふふ…。」
そんな女性に捷子、
「いらっしゃいませ。ごゆっくりと…、どうぞ~。」
にっこりと微笑んで。
女性、
「ありがとう~。」
声を掛けてきた女性店員ににっこりと微笑んで。
そして、店内をぐるりと眺めながら、
「あっ、こっちにもあるんだ。」
そう言いながらガーデンの方にも足を進める女性。ゆっくりと眺めながら。
ガーデンの中から人の声がする。
40代くらいの女性の声、
「綺麗~うんうん。こんな感じにしてもらいたかったの~。」
「如何でしょうか、これだったら飾ってもおけますし~。」
麻衣子。
「ですね~。じゃ、ひとつはこれで決まりだな。」
同じくらいの男性の声。
「これなんかも如何ですか~お客様~。」
知寿子が男性客に…。
「へぇ~~。それも良さそうだね~。おい。」
そう言って女性に声を掛ける男性。
ゆっくりとガーデンを歩きながら花々を眺める女性。
そんな女性に麻衣子、
「いらっしゃいませ~。」
麻衣子の顔を見てにっこりと笑顔で会釈する女性。
そんな女性に麻衣子、同じように会釈して…、
そしてまた40代風の女性の話を聞く。
そして今さっきの自分に会釈をしたはずの方向に目をやると…、
誰もいない。
女性の話はまだ続く。
笑顔のままでその話を聞きながら、周りを見回してみると、誰もいない。
麻衣子、ふと…、
「……。」
目をキョロキョロさせながら、
「えっ…???…もしかして…。」
その瞬間、突然慌てて、
「チズ。ごめん。ちょっと…あと、お願い出来る…???」
知寿子、
「はぁ…???」
「ごめん、あとお願い。」
そう言いながらガーデンのドアに向かう麻衣子。
知寿子、
「あ…れ…???ど…う…した…かな…???」
首を傾げて…。
「捷子、女の人…、見なかった…???」
「う…、うん。…今さっき…、ありがとうございましたって…言って、出てったけど…???…綺麗な人~。…で…、あの人が…???」
麻衣子、いきなり店の玄関から外に…。右左見て、
「あっ、いた。」
そしてすぐさま、
「侑佳さん。」
自分の名前を後ろから聞いて立ち止まる女性。
麻衣子、
「あなた、もしかして…、侑佳さん。」
ゆっくりと後ろを振り返る女性。そして、お辞儀をする女性。

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。