「…一体…、何がどうなって、浩…???子持ちの…彼女…???」
空を見るような感じで侑佳。
「とととと。来た。」
麻衣子からの着電である。
鼓動が高鳴っているままの麻衣子。
自分の意思とは逆に、スマホの浩一からの電話にリダイヤルをしていた。
その時、髪を優しく撫でられたような感触。
「えっ。」
そして辺りを見回して、すぐにキッチンのテーブルから新聞のチラシが一枚、
風に吹かれたように床に…。
「へっ…なんで…???風…ない…のに…。」
その内、スマホの向こう、
「もしもし。もしもし、ごめんなさい、私…、侑佳と申します。」
不思議に涙は出て来なかった。
「へっ…???…あっ、はい。私…、中川麻衣子と申します。」
と、同時に、目をパチクリさせながら…、
「あっ、いや…。へっ…???…あなた…誰…???」
今度は、少し、気持ちを落ち着かせて侑佳。
一度カクテルを一口飲んで、
「突然メールして。…そして突然電話して…、ごめんなさい。謝ります。汀…、侑佳と…申します。旧姓、柏木侑佳です。」
麻衣子、
「えっ…???何が…、どうなってる…???」
侑佳、一度深呼吸をして、
「つまり、木本浩一の…元彼女です。」
麻衣子、戸惑いながらも…、
「モッちゃんの…前の彼女…???」
「はい。そうです。今、私の隣に、木本浩一、います。そして…、ここからが肝心ですから、良く聞いて下さい。」
麻衣子、
「あ…、はい…。」
「私…、明日、神戸に帰ります。そして、今後、木本浩一に、会える保証は…ありません。」
そして、何故かしら、目に涙を溜めて侑佳、
「だから…。」
掠れた声を出して侑佳、
「私の…大好きな…浩を…。」
今度は泣きながら、
「よろしく…お願いします。んんん…。あぁ…。」
そして終了ボタン。
プツリと切れた通話。麻衣子、
「切れた…。へっ…???ええええ…、何…今の…???うそ。モッちゃんの…元カノ…???」
状況が全く飲み切れない麻衣子。
「浩を…、よろしく…お願いしますって…???」
首を傾げながら…。
「でも…、さっきの…髪と…あのチラシ…、何…???」
侑佳、スマホを浩一の前に、
「ふぅ~~。あぁ~~。ふん。」
鼻水を啜って。
「この…、しあわせものめ~~。浩~~。」
浩一の左二の腕に、自分の右肘を当ててグリグリと…。
「な~んだよ。」
「ねね、赤ちゃん、可愛い…???」
「おぅ。」
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