「少しでも違った景色…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 「ちょ…、ちょっと、お父さん。電話、私。」
夫からスマホを取り上げて葵、
「侑佳。あんた。大丈夫なんでしょうね。」

「うん。だ~いじょうぶだよ。…でも…、まだ…、直道さんとは元通りになってないの。」

その侑佳の話しを聞いて葵、
「侑佳…。あんた…。」
がっくりと両肩を落として葵。

「我儘かもしれないけど…。今の状態で汀の家にいても気持ちが萎えるだけだもん。だから…、いっその事…。少しでも違った景色を見れればと思って。」
夕陽を見ながら侑佳。

「んもう…。あんたって子は~。」
「夕陽…、もう…、半分くらい落ちた。」

「ゆ・う・か。」
「へへ~~。夕食…、どんなだろう~。」

「もう~。この子は~~。」
「この旅館来る前に、ある神社、参拝して来たの。」

「ある…神社…???」
何かを考えている風の葵。

「うん。今のこの状態が早く終わりますように…って。」

そんな侑佳の話しに、台所に向いながら…。

そんな葵を見ながら悦男、
「おいおい、母さん。」

考えながらも葵、
「今の状態が早く…、終わりますように…。」

「うん。…だって、今の私と直道さんの状態、当然当事者が一番辛い訳だけど…。…でも…、傍にいる人も同じくらい、辛いはずだから…。」

今度は台所の椅子に腰掛けて葵、
「侑佳…、あんた…。」

「神戸から観る瀬戸内海も良いけど…。でも…。やっぱり…自然の中を走りながらの海が見たいって…思って…。ここに…。それと…もうひとつ。」
「ん~~???」

「神社に…お参り…したかった。」

もう既に沈み切った水平線を見つめながら…。
ツ~~と、目尻から伝う涙。

「お参り…したかった…、神社に…。ゆう…か…。」
「だって…。元々は…うっ…。ん…。はぁ~~。私が悪いんだもん。」

「ゆ…う…か…。」

「こっちにね…。復縁と縁結びの神社があるの…。」
お参りした後の少しホッとした時の事を思い出して侑佳。

「能登の…石川に…???」
葵。

「うん。何か所かあるらしい。明日もお参りして…、少し気分転換して神戸に帰るつもり。」
「おまえ…。」

「だ~いじょうぶよ~かあさん。傷心旅行じゃないし…。そんな思い詰めた旅じゃないんだから…。」
「そんな事…言ったって…。」
 

 








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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。