「えっ!!!」
知寿子。
電話の向こう、寿を預かっている保育園の園長、室井洋子、
「えぇ…。つい数分前までは友達と楽しそうに遊んでいたんですけど、いきなり転んじゃって…。抱き起してみたら、凄い熱で…。」
知寿子、
「はい。はいはい。分かりました。すぐに伺います。」
麻衣子、
「チ…、チズ…、寿…、どうか…???」
スマホをバッグに仕舞いながら知寿子、
「うん。…ごめんマコ、私これから保育園行く。寿が熱…、出したみたい。」
麻衣子、
「えっ。うそ。た~いへん。うん。すぐ行ってあげて。悠馬には…???」
「うん。これから電話する。マコ、ごめんね。ご飯…。」
「な~に言ってんの、そんな事…。寿の方が心配。ほら、早く、早く。」
「うん。本当にごめん。」
知寿子。そう言いながら急いで今来た道の逆方向に…、
またバッグからスマホを取り出して、そして左耳に…。
麻衣子、そんな知寿子の後姿に、
「気を付けて~。」
その麻衣子の声に、右手だけ上に手を振って。
こちらは駅のホーム。悠馬、スマホに着電、
「…ん…???ママ…。」
「パパ。寿が保育園で熱出したみたい。私今、向かってる。」
「えっ!!!寿が…。分かった。僕もすぐ向かう。」
「うん。どっちが着いても、連絡して。お願い。」
「分かった。マコはこの事…。」
「うん。知ってる。だから、今夜のご飯。」
「だ~な。まずは寿のとこ、急ごう。」
「あっ、パパ。モッちゃんは…???」
「あっ…。まぁ…、仕方がない。心配掛けたくない。モッちゃん自身に…任せよう。」
「…う…、うん。」
「さてと…。あはははは…。買い…過ぎ…ちゃった…。」
部屋に着いて、スーパーの袋をテーブルに置いて麻衣子。
「しっかた…ないかぁ~。それより…寿…。まっ、チズもいるし、悠馬もいるし。さて…、絢、迎えに行こうっと…。」
「へっ???何…、寿…、熱出したって…。おいおいマコ~。」
絢を抱きながらの順子。
「うん。だから、今日のご飯…。」
麻衣子。
「そっか~~。残念だね~~。絢~、食事会…だ…。」
「わっ!!!」
「何よ、びっくりした~この子は~。」
「モッちゃん…、連絡してない…。」
「はい…???」
「やっば~~。こっち…向かってる~~。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。