そして土曜日の夜。
「あっ、そうか~。明日か~高志君の誕生日…。」
台所のテーブルで新聞を読みながら敏光。
「うん。…誕生日の前に亡くなっちゃうなんて…。何とも…、切ないよね。」
思わず鼻水を啜りながらの順子。
「…だなぁ~。良いヤツだったもんな~。まるで…実の息子だったからな~。…こんな事…。マコの前じゃ…、言えないけど…。相手のドライバーも…、大変だ。」
「…うん。40歳の女性ドライバー。トラックの運転手…か…。小学生の…女の子…。辛いよね~。」
いきなり道路に飛び込んで来た男性にブレーキを踏むには遅すぎた。
速度は制限速度よりもわずかにオーバーしていただけ…。
それでも男性は女の子を助けられると過信したのだろう。
けれども…結局は…。
ドアを開けて飛び出し、男性の身体に近づき触った時点で、動けなくなっていた。
その時に彼女の頭に過ったのが娘の顔。
救急車を呼んだのが周辺にいる、誰かだった。
まだその時点で男性の心臓は動いていた。
…けれども…。
「寝る前に…一杯っと~。」
お風呂上りに麻美。
「おま…。明日、マコのとこだろ…???」
敏光。
「ん~。寿ちゃんも来るってよ~。」
「おほほほほ~。そりゃ楽しくなりそうだな~、高志君の誕生日~。」
「パパも…来るんでしょ???」
「パパは…、遠慮しとくよ~。写真の前で、一緒にピール飲んでるよ。」
そう言って、仏壇の方に顔を向けて敏光。
「おやおや、渋いです事~。」
麻美。
「若いもんには、若いもん。な~ママ。」
順子、
「まっ、そういう事かしらね~。パパと一緒に、高志君の誕生日、お祝いしてるわ。ふふ…。寿ちゃんと悠馬君によろしく~。」
「あ~い。」
そう言いながら缶ビールを半分ほど一気飲みして、敏光の前に置いて、
「あと…、よろしく~。では、お休み~。」
「おぅ、おやすみ。」
「きゃ~~寿ちゃんだ~。かっわいい~。」
いきなり寿に抱き付く捷子。
ある意味、麻衣子と知寿子、そしてこの桑名捷子は、仕事柄、年齢も同じくらいと言う事で、
3人トリオである。
高校も大学も同じの麻衣子と知寿子と比べると仕事上での知り合いとなっている。

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。