「あったりまえでしょ。ふたりだけで話すには日中の方が良いと思ったから、丁度、外注の用事もあったから…。」
愛美。
「って~~事は…、見舞いは、ついで…って事か~~???」
将史。
「な~~訳ないでしょう。…ったく~。口数減らず~~ははは。」
「おぅ。ありがとな。感謝…してる。」
その言葉を聞いて、また瞼が熱くなったものの、必死に堪えて、
「じゃね。また来るわ。」
そう言って、ドアに振り返り、歩き出す愛美。
ドアを開けて、左手を上げて軽く頭をコクリと。
そしてドアの外。ドアに背を付けて愛美、
「はぁ…。やっぱ…、言えないわ…。しかも…、病人に…、こんな事…。」
廊下を歩きながら…、ふと、目の前に如何にも素敵な殿方が歩いてくる。
愛美、
「えっ???凄っ、ダンディ…。誰…???もしかして…、マサの部屋…。わわわ…。」
男性が将史の病室のドアをノックして、部屋の中に入っていく。
「誰よ~~???」
「桐生将史さん。初めまして。…では…ないか…。一度、コンペの会場でお見掛けしてますから…。沢渡と申します。」
亮。
「病院まで来て戴けるとは思いませんでした。メンバーから窺っております。今回は、何とお礼していいのか…。ありがとうござました。」
将史。
「まさか、病気で倒れたなんて、聞いて驚きました。…で、容態の方は…。何やら一過性、脳…虚血…発作とか…。」
「えぇ…、脳梗塞の一歩手前とも…言われましたが…。容態は…経過…順調のようで…。」
「そりゃ~良かった。何よりです。うん。」
将史の顔をじっくりと見て、
「ふふ…、良い顔…してらっしゃる。実に頼もしい顔だ。」
「はは…、よして下さい、恥ずかしいですよ。そんな事、言われると…。」
「いやいや、とんでもない。自信、持って下さい。えぇ~。」
「それに。」
「それに…???」
「彼女も…実に素敵な顔をしてました。素敵な人たちと出会えた感じ…してますよ。」
「彼女…???」
「えぇ~。眞叶さんですよ。」
「あぁ~。はは。ありがとうございます。」
「実に…良いコンビだ。」
「えっ…。いや…。はぁ…。」
「期待してますよ。」
将史に右手を差し出して。握手をして、
「それでは…私はこれで…。お大事に。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。