「うん。良い店だ。」
伊集院。
「ほんと。」
加代子。
「もう…、玄関を開けた途端に、分かったもんね。」
「あぁ…。しかも…、お客さんに…恵まれてるな~。ここは。ふふ…、やっぱり…。」
「ゆっくり、していって下さいね。伊集院さん、加代子さん。」
恭子。
「あぁ~。せいざんの料理、堪能させてもらうよ。かなりの知名度らしい。」
「うん。ありがと。」
「お褒め…戴き、恐縮です。」
和人。
その時、お勘定場の電話が鳴る。玲子、
「はいはい。おまたせしました。いつもありがとうございます。和風割烹せいざんでございます。…おぅ、コウちゃん。お疲れ。どしたの…、お店に電話なんて…???」
電話の向こうは浩二である。
「…うん。今、来てて恭子、挨拶してた。」
浩二、
「そっか。来てたか、俺もまもなくそっち着くから、今、そっち向かってる。」
「うん、分かった~。待ってるね~。んじゃ。」
玲子。和人に、
「コウちゃん。こっち向かってるって…。」
和人、
「おっ。」
「ねね、ちょっと、パパ、これ…、凄…、おいっしい~。」
加代子。
「ん~~。ふふ…。だろう…。私も気付いてた。」
伊集院。
「はい。では、こちらになります。どうぞ。」
恭子、新しいメニューを伊集院の前に…。
「ほほぅ…、これもまた、美しい盛り付けだ。うん。」
「ありがとうございます。その盛り付け…、誰が考えたと思います…。」
和人。
「…ん…???…と、言う事は…、もしかして…???」
目をキョロキョロさせて、
「彼女たちの…どちらか…???」
「はい、その通り、恭子の方です。」
和人。
「はは…、嬉しいですね~。そうでしたか~。」
「そして、さきほどの、喜んで戴いた味…、実は、そちらの玲子の味です。」
「え~~。びっくり。ご主人の味じゃ、なかったんですか…。」
驚く加代子。
「実は、以前から、彼女たちの考え方も取り入れてまして…。しかも…、それも…、お蔭様で…。」
「実に素晴らしい。うん。」
店の玄関が開く。
「ただいま。」
「はぁ~コウちゃん、お帰り。早く、早く。」
恭子。

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