「確かに。私は、あなた方が事故に遭ったその場には、いませんでした。けれども、事故は、私どもの店舗の中で起こった訳ですから、どのような事情であれ、全責任は、私どもにあるんです。例えそれが、店舗外の屋外であったとしても…敷地内であれば…です。」
伊集院。
浩二、唇に右人差し指を当てながら、
「……。」
「それが、お客様と私たちの信頼なんです。」
その伊集院の言葉に、少し口を尖らせながらも、ゆっくりと頷く恭子。
ノックの音、そして、「失礼します。」の言葉と共にドアが開く。
「お待たせしました。」
にこやかな声で、テーブルに近づく樋口。
「どうぞ、ゆっくりしてらして下さいね~。」
そして恭子の目の前に出されたスイーツ。
思わず恭子。
「わっ、これって~。」
「はい、当デパートの、一番のお気に入りのスイーツになっております。」
「うそっ、知ってる、知ってる。物凄い売れてるスイーツ~。キャハ。」
思わずはしゃいでしまう恭子。
「うっわ~、ねね、コウちゃん。」
と、言いながら、隣の浩二の右腕を突く恭子。
「恭子~~。」
呆れ顔の浩二。
その浩二の声に、
「あっ…、あ…、あ~~。」
いきなりシュンとなる恭子。
「…すみ…ま…せん。」
「は~っはっはっはっ。」
いきなり笑い出す伊集院。テーブルの傍でクスクスと笑う樋口。
「全く~、恭子。」
「ははは、こりゃいい。実に愉快だ。倉科さん。あなた…、ほん~とに、素敵なお嬢さんだ。は~っはっはっはっ。」
おまけに両手を叩いて笑う伊集院。
「なぁ~加代子。」
コチラも笑いながら、
「はい。…って…、シ―――ッ!!!」
いきなり口元に左人差し指を立てる樋口加代子。
「あっ…、そか…、すまん。つい…調子に乗ってしまって…。んん…。」
そんなふたりを交互に見て恭子と浩二、
「え、え、え…???」
妙な雰囲気の中…、加代子が恭子と浩二の顔を見て、
またまた口元に左人差し指を縦に当てて、
そしてウィンクをして、伊集院の方に横目を…。
恭子と浩二、
「あ…、あ~~。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。