「そうか…、あの子たち、無事に退院したか。分かった、ありがとう。…あぁ…、悪いが、もし万が一、彼らから何か連絡があったら、全て私の方に回してくれないか。」
電話の向こうで、
「はい、承知しました。」
「そっか~、大事に至らなくって良かった。」
そのまま受話器を左手に持ち替えて、ブッシュボタンを押す伊集院。
「あっ、伊集院だが、衛(えい)さんいるかな…???」
「はいはい、国さん、衛(まもる)です。お疲れ様。」
朝比奈。
「おぅ、衛(えい)さん、私だが…、彼ら…、無事に退院したそうだ。」
「そうでしたか、良かったです。何事もなくて…。はい。」
実は伊集院と朝比奈は大学が同じで、
朝比奈の方が伊集院より3歳先輩格に当たる。
「今後、彼らに何かしら起こった場合には、私も相談に乗ろうと思っている。その時は衛(えい)さんも…。…何かしら…応援…お願い出来るか…???」
「もちろんです。喜んでお手伝いしますよ。」
倉科恭子と言う女性を病室で見た瞬間に、
何かしら、ある直感を感じた伊集院だった。
「良し、終わりっと。…さて…と、恭子。」
浩二。
「うん。だ~ね。」
恭子。
「んじゃ、参りますか。」
「えっ、何…???これからどっか行くの…???何々…退院してすぐに…デート~???」
翔。
「な~に言ってんのよ、翔。いっつも一緒にいるのに…デートって事はないでしょ。」
翔の右肩を叩きながら絵梨奈。
「ね~~恭子ちゃん。」
「はははは…。」
笑いながら…恭子、頭の中で…、「この人には負けるわ…。」
「ちょっと…、ねぇ~。」
浩二の顔を見ながら、そして浩二。
「挨拶しなきゃならない人がいるもんで…。はい。」
「…ん…???挨拶…???」
翔。
「はい。…では。」
「ふんふんふ~ん。」
「何がふんふんふ~んよ。ほら、邪魔しない、邪魔しない。帰るよ」
絵梨奈。
「あっ。おぅ。」
「すみません。電話もしないで来てしまって。」
浩二。
「いいえ、とんでもございません。こちらの方こそ、元気そうで安心しました。」
案内の女性。

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