「うん、良し。甘えよう、あの人に。なっ、恭子。」
浩二。
「そ…う…だね。うん、甘えよう。その方が…、あの人も…助かるだろうし…。」
恭子。
「じゃ、お世話になりました。」
帆香に向かって、恭子と共にお辞儀をして浩二。
玄関に向かって歩き出すふたりに、「お大事に。」と、手を振る帆香。
午前のセミナーに2時間ほど遅れて参加したふたり。
周囲には多少なりとも注目されたが、
担当者は快くふたりを迎え入れ、そのままセミナーは続く。
休憩時間…、
「ねねねね、大丈夫なのぉ~恭子ちゃん。それに浩二君も~???」
絵梨奈である。
つまりは恭子にしても、浩二にしても、顔に数ヶ所の絆創膏。
「どうした、いきなり病院から電話なんて浩二君…???」
翔。
「ご心配…お掛けしました。」
と、ぺこりと絵梨奈、翔、そして保に頭を下げる浩二。
その隣で同じように頭を下げる恭子。
「てへへへへ…、ちょっとね…。」
「ちょっとじゃないでしょ~~、救急車で運ばれたって言うから、もう~びっくりしちゃって~。」
絵梨奈。
「まぁ~僕らも何が何だか分かんなかったんだけど…。事情が…事情でして…。」
浩二。
「…ったく~、とんでもない奴もいたもんだ。」
腕組みをしながらの保。
そのとき恭子、小さな声で…、
「えっ!!!」
同じように浩二も…、
「!!!」
「何…???どしたのふたり共…???」
保。
「えっ…???…あ…、いえいえ…。はい。ねっ。」
恭子、浩二の顔を見て…。
浩二、
「はは…、うん。いえいえ…なんでも…、はい。」
「おや。初めて保がふたりの前で喋ったね~。」
翔。
そうなのだ、どちらかと言えば、全くと言って良い程に、
殆ど存在感のなさそうな筒井保が、初めて恭子と浩二の前で喋った事に、
恭子と浩二は驚いていた。
「喋った…。」
キョトンとしながら恭子。
そんな恭子を横目で見る浩二、
「くっくっく…。」
そして午後からのセミナー、集客について、そして宣伝に関して、
そして競合についてなど。他にも立地条件と周辺環境などが続く。
「さすが…、和兄ぃが言ってる事、全部当たりだわ。」
恭子。

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