「…ん…、ん~~。…ん…、ま…ぶ…しい…。」
薄らと目を開ける恭子。
「…ん…???いつもと…匂い…???ここ…って…。」
目をキョロキョロさせながら…。
「あ…、あ~。そっか…、ここ…病院だった。…ん…???コウ…ちゃん…???」
ソファを見るとブランケットがたたまれた状態で、
テーブルには資料とペットボトルに、ノートが広げられて…。
「ふ~、トイレ…か…。さ…て…と。」
布団を捲り、脚を動かしてみると、
「へっ…、おや…。おほほほほ…、痛みなし。や~り~。」
そこに、ドアがガチャリと…。
「あっ。」
「おっ、恭子、起きたか。」
その浩二の声に、
「うん、おはよ。」
「よっ、おはよう、倉科さん。一晩、ありがとう。」
医師の本郷裕之。
そして、その後ろに弓帆香。
「わっ、綺麗な看護婦さん。」
帆香、
「おはようございます。」
「おはようございます。お世話になってます。」
ぺこりと帆香にお辞儀をして。
「さて…、立てるかな~???歩けるかな~???どれ。」
本郷。
「はい。」
浩二が恭子の傍に立って、
「ゆっくりな、ゆっくりな。」
ベッドに端坐位になって、そして立って。浩二、
「おぅ~。」
そして、歩いて、
「うんうん、大丈夫です。全く痛みありません。」
「ん。OKのようだ。お約束通り、無事、退院だ。うん。…と、言うより、これ以上拘束していると、彼にも何を言われるか、分からんのでな。はははは…。一晩中、そこで、君を見守っていたようだから…。」
「コウちゃん…。ありがと。」
ニッコリと笑い、照れる浩二。
「さて、後は弓君、お願いするよ。看護婦さんが、手続してくれる。では、私はこれで。」
「はい、ありがとうございました。」
本郷が部屋を出る。
何故かしら赤くなっている恭子。
「どうか…、なさいました…???倉科さん…???」
帆香。
「あ…、あ…、いえいえ…。」
恭子。
「初恋の男性に…似ているとか…。しかも…小学生の頃の…。」
と、にやけながらの浩二。

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。