「あっ、すみません。眠ってしまってました。」
浩二。
「あっ、いえいえ、逆に起こしてすみませんでした。気持ち良く眠ってらしたようなので…。」
眠っている浩二に、ブランケットを掛けてくれていた。
「あっ、看護婦さん。…このまま…、ここで…良いですか…???」
「ええ…、早瀬さんが、それでよろしければ、そのように…どうぞ。」
「はい、ありがとうございます。それに、わざわざ毛布まで…。あ、あの…。看護婦さ…。」
「弓と言います。弓…帆香(ほのか)です。」
「あ…、ありが…とう…ございます。」
時計の針は、既に10時を回っていた。
ベッドでは静かに眠る恭子。
「玲子~お疲れね~。大変だったでしょ、朝早くからみっちりと…。」
とっくに帰宅して個室の後片付けをしながら智香子。
「ぜ~んぜん、むしろ、楽しかったよ、お客さんもみんな良い人ばっかりで。まのちゃん、まのちゃんって。ははは。そんなに似てるかな~私。」
「まぁ~他人から見れば、似てるんでしょうねぇ~。私もあんまり見た事ないから、分かんないんだけど…。」
「さて…、次は洗い物~っと。」
そう言いながら厨房に入ろうする玲子に、
「あ~、そっちは良いよ、私するから。」
智香子。
「う~ん、良い、良い。大丈夫、大丈夫。」
ニコニコした笑顔で夏輝の傍に進む玲子。
「ふふ…、んじゃ…、お願いしよっか…。」
そんな智香子の声を聞きながら和人、
「ふふ…。」
「玲子ちゃん、頑張るねぇ。」
夏輝。
「ん…???逆に楽しいよ。大好きな人たちと一緒だもん。」
その玲子の声を聞いた瞬間、和人も智香子も一瞬瞼を…。
智香子、テーブルを拭きながら鼻を啜って、
「へへ…。」
和人も、思わず鼻を啜り、
「へぇ~、ヘヘ。」
「どしたの…和兄ぃ…???」
和人の後ろの方で玲子。
「な~んでもない。玉ねぎが目に沁みるってよ。」
「…って…、玉ねぎ…切ってないじゃん。」
「は~っはっはっはっ。和さん。」
夏輝、右頬に伝う雫を右手甲で拭いながら。
「やられちまったなぁ~もん。ははは。」
斜め後ろに夏輝を見て和人。
少し赤い目をした夏輝。
「え~、その通りで…。」
その後ろで洗い物をする玲子。
「どういう事…???」

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