無理やり身体を動かす浩二。
「あ~~。」
仰向けの姿勢からうつ伏せに、
そして自分の右側に倒れている恭子にようやく気付く。
「恭子。恭子。」
床にだらりとしている恭子の左手を握って、
「恭子!!!…痛っ。」
全く意識のない恭子の左手を握り、そして、そのまま浩二の意識も…。
そして、ストレッチャーの音。警備員、
「急いでくれ、女の子は意識がない。」
警備員室、
「で~、名前は…???職業は…???」
男性、
「ちっ。」
最寄りの病院。診察室で医師、
「いやいや、酷い目に遭いましたね。」
「え~。何が何だかさっぱり…。それより。」
「うん、一緒にいた女の子、大丈夫ですよ。軽い脳震盪です。直に意識は戻るかと…。臓器などに特に問題はありません。ただ…、エスカレーターから転がりながら落ちたんです。ところどころに、傷は…ありますが…。それは、あなた同様に…。」
「で…、今…どこに…???」
「大丈夫ですか、歩けますか…???」
「はい。大丈夫です。」
「では…。」
看護師に目で合図して、
「案内します。」
看護師。
病室に入ると…、
「あっ。」
浩二。
「コウちゃん。」
恭子。
「良かった~~恭子。意識戻ってる~。」
「うん。…で、何がどうなっ…???」
「うん、俺もさっぱり…、何がどうなって…。」
その時、病室のドアが…。看護師に案内され病室に入って来たふたりの男性。
看護師が、
「デパートの方々です。…どうぞ。」
浩二、
「あっ。」
恭子、
「……。」
「それでは私はこれで…。」
看護師が一礼してドアに向かう。
その姿に軽く会釈をする男性ふたり。ドアが閉まって初めて目を合わせて、
スーツ姿の男性がベッドに向き直って、深く頭を下げ開口一番、
「この度は、申し訳ございませんでした。」
そして、もうひとりの制服を着ている男性も同じく頭を下げる。
「如何なる事情で有ろうと、誠に申し訳ありませんでした。」
深々と頭を下げるスーツ姿の男性。
その隣の制服姿の男性も同様。
「あ…、あのぅ…。」
浩二。
ふたりを見ている恭子、
「……。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。