「クリスマスまで、まだ3週間…。」
浩二。
「でも、世の中…そんなもんでしょ、凄いよ~、11月後半から既に、ムードはクリスマスだから…。」
恭子。
「まっ…、確かにね~。」
ツリーを左手に観下ろしながらゆっくりと歩く浩二と恭子。
「ねね、下降りて見て見よ、綺麗~だよ~。」
「おぅ。」
エスカレートに乗り、ゆっくりとツリーを観ながら、
その時、後ろからドタドタと…、
「わっ、おい。ど…。」
その足音と声に恭子と浩二が降り向こうとした瞬間。
わずか数秒の出来事だった。
エレベーターの下、倒れている3人の姿。
その傍でいきなりエレベーターから落ちてきて倒れている3人に、辺りの客が、
「わぁ!!!」
「え~~!!!」
「きゃ―――――――っ!!!」
倒れている古いツイードの上着を着ている50代風の男性、
「痛って~~。」
そしてエレベーターを降りてくる警備員2人。
「おい、大丈夫か!!!」
そのままその男性はその警備員1人に、
「なんて奴だ。おい!!!」
そしてもう一人の警備員が、
「お客さん、お客さん。大丈夫ですか、大丈夫ですか!!!」
一瞬の沈黙。
そして更に、浩二の方に、
「お客さん、お客さん。大丈夫ですか!!!…ダメだ。」
すぐに左肩に掛けてある無線で…。
その時、
「…ん…、ん…、ん~~。」
気が付き、ゆっくりと動く浩二。
「ん~~。」
警備員、
「お客さん、お客さん。」
そう言いながら無線を口元に、
「救急車、急いでくれ。」
顔を顰めながら頭を動かす浩二。
「お客さん、動かないで、そのまま。」
浩二の傍で、うつ伏せになり、全く動かない恭子。
薄らと目を開けて、天井を見る浩二。身体を動かそうとするが…、
「ん…、痛てっ。あ~~。」
目をキョロキョロとしながら、
「何…、なんだった…。ん…痛っ。きょ…、きょう…。」
その時、意識はっきりと、
「!!!!恭子!!!恭子、恭子。痛って~~~。」
「お客さん、動かないで、今、救急車。」
その声にようやく気付いて浩二、
「恭子、恭子。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。