「ただいま~。」
玲子。
「ただいま戻りました~。」
夏樹。
「おぅ、お帰り。どうだっ…???なんだ、その荷物は…???」
和人。
「分かんないんだけど…行くとこ、行くとこ、持っていきな~って…、くれるんだもん。こんなんなっちゃったよ。」
玲子。
「まだ…車の中にもあるのよ、和兄ぃ。」
「はぁ~あ???…もん…???」
「いや、実際、その通りで、いきなり玲子ちゃん、人気者になっちゃいまして…。この通り。」
夏樹。
「和兄ぃ…また行きたい。」
「おっ、さては市場、気に入ったようだな。いつでも行って良いぞ。もんと一緒に行ってきな。」
「うん、ありがと。もんちゃん!!!」
「おぅ、いつでも、よろこんで。うん。」
「う~~さぶっ。」
恭子。
「だ~いじょうぶか~恭子~。」
浩二。
大阪に来て初めての休日。恭子の出身が兵庫でもあり、
久し振りに関西の雰囲気を楽しもうと朝から浩二とふたり、
街に出掛けているのだった。
「休みと言っても、こりゃ…結構冷えるぜ大阪~。」
「うん。まさかこんなに寒いとは思わなかった。おぅおぅ。」
何故かしら、自然に浩二の右腕に自分の左腕を絡める恭子。
「さぶ~~。こうじ~~。」
「だ~いじょうぶかよ~ほんとに~。」
「…ん…???べぇ~~だ。」
「…ったく~。かかか…。」
「玲子には…悪いけど…。この期に及んでは…、コウちゃん、借りちゃう。」
「ん~~。」
けれども、その時、恭子と浩二の頭の中に浮かんだのが、あのときのキスしたシーン。
がっしりと浩二の右腕に摑まりながら、目はきょろきょろと恭子。
そして恭子の歩調に合わせながらも、こちらもきょろきょろとあちらこちらを見ながらの浩二。
その内に、自分の右手をポケットから出して恭子の腕を解いて、
恭子の右二の腕に右腕を回す浩二。
持て余した恭子の左腕、自然に浩二の左脇に腕を回して、浩二の顔を見る。
恭子、
「ふふ…。」
浩二、
「ん~???うん。」

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