当初より、拓植大学の体育系学部を専攻していたのが功を奏し、
大輔はそのままスポーツトレーナーの道を…。
しかも、大輔の目標は、その上を目指していた。
「楓なら…。」
その思いが大輔の目標を定めたのだった。
幸い、日本の「公認アスレチックトレーナー制度」指定の大学と言う事もあり、
単位を取得し、検定試験をパスし、見事に資格を取得。
しかし、それは単に大輔にとっては中間地点。
楓の方も、大学卒業と共に、WJBAの実業団のチームに所属。
高校生の頃からの身長もこの時点では既に175cmを超え、
成績も上位に付けていた。
毎日楓のスマホに届く大輔からのメール。
その中でも大輔から届く吉報に飛び上がり喜び、
それが楓の原動力にもなっていた。
そして大学時代から加えて勉強していた英語。これは大輔も同様だったが、
これがいよいよ陽の目を見る事にも繋がった。
楓26歳。そして大輔も同様に26歳。
大輔、念願のアメリカのNATA公認のアスレチックトレーナーの資格を取得。
いわゆる、アメリカの国家資格である。
この資格を取得しているだけで、
日本人でもアメリカでのスポーツトレーナーの仕事が可能となる。
この国家資格を取得するために大輔は拓植大学卒業後、アメリカ留学。
そして遂に楓…。
世界女子バスケットボール最高峰、WNBAシアトル・ストームズと契約成立。
日本人として、歴代3人目となる。
東京羽田空港国際線ターミナル、午後10時30分。
こんな時間でも、待ち焦がれたファンたち。そして報道陣。
笑顔で迎えられながらの楓。
限られた時間の中でのインタビュー。
そして…、そんな時間の後、多くが立ち去った、ひっそりとした中で、聞き覚えのある声。
「楓~。」
「楓。」
「楓、楓。」
「おい、楓。」
そんな声に、辺りを見回して…、
その途端に、いきなり目頭を熱くする楓。
「朱…。陽…。慎二…。智志。」
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庄司紗千 3センチの中央線
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。