「朱―――――っ、陽子―――――っ、慎二―――――っ、智志―――――っ。」
思いっ切り叫んでいた。
4人共に、楓に向かって、手を振っていた。
駆け出す楓。そんな楓に近づく4人。
そして4人としっかりと抱き合う楓。
無言のままに抱き合う5人。
もう既に、4人はそれぞれ母親であり、父親である。
朱実と慎二、そして陽子と智志も大学卒業と同時に結婚。
小さな子供を儲けている。
そして…、
「良く頑張った、楓…。」
抱き合う5人の後ろに、小学2年生になった樹を連れて現れた洋祐と優美子。
「楓ちゃん…。」
もう…涙が溢れて止まらなくなっていた楓。
「せんせい…。樹…。こんなに…大きくなって…。」
樹…、
「かえで…ねぇ…ちゃん…???」
「ん…、ん…、うん。そうだよ…、ん…。」
がっしりと樹を抱き締めて楓…。
「せん…せい…。」
洋祐、優美子…。
「うん…。行っといで…。」
「そうだ。お前さんにゃ~これからは…世界が相手だ。」
そう言いながら洋祐の後ろから顔を出した三浦。
「きょ…、教授…!!!」
洋祐。
「はっはっはっ。そんなに驚くこたぁねぇだろ、幽霊でもあるまいし。ん~!!!楓君…。大輔が待ってるぞ。」
「教授……。ありがとうございます。」
もう既に、アメリカシアトルで、大輔は楓の専属トレーナーとして契約を交わしており、
既に共に住む家まで準備していた。
「いよいよ楓も、向こうで、大ちゃんと結婚か…。」
朱実。
「しっかし…すげぇよな~。本当にやっちまいやがって、大の奴。」
慎二。
「愛されてるね、楓、大ちゃんに。」
陽子。
「な~に言ってんの~夫婦揃って~。」
楓…。
「大に…、よろしくな、楓。」
智志。
「うん、ありがと。」
深夜の東京羽田、国際線。午前0時30分。
まずはアメリカ、サンフランシスコに向けて。
楓は、大輔の待つ、アメリカはシアトルへ…。
―――――― Fin ――――――
※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 井の頭のいわし雲
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。