「あ~~~~。ま…り…。あ――――――っ。」
スマホを握り締めながら優美子。お腹に手を当てたまま…。
スマホの向こう…。
「優美子。優美子。あなた…、優美子!!!た~いへん。」
吉祥寺総合病院に着いたばかりの洋祐。
大輔の病室に向かおうとエレベーターに乗ろうとした時に、
背広の胸ポケットのスマホ。
「ん…???眞理子さん。はは、大輔の事か…。はい、洋祐です。今…病院に…。」
エレベーターの中で、3のボタンを押す。
「洋祐さん、すぐ優美子の病院に行って!!!!もしかしたら、産まれるかも…。救急車は手配したから。今までとは違う陣痛よ。私も後から追い掛ける。」
「わ、わ、分かりました。」
既にエレベーターは3階に辿り着き、ドアが開いたところだった。
急いで大輔の病室に。
ドアを開いて。病室の全員が、
「先生!!!」
「すまん、みんな。優美子が…、子供が産まれそう、これから向かう。」
それから駆け足でエレベーターを待たずに階段を駆け下りる洋祐。
大輔の病室で…、それぞれ…。
「せ…ん…せい…。子供…うまれる…。」
一瞬の沈黙…。
そして一斉に、
「やった――――――っ!!!!」
そして、それから2時間後。吉祥寺にある聖ヘリアントゥス産婦人科の分娩室。
「優美子、優美子、頑張れ優美子。そうだ、そうだ、いつもと同じやり方で…。」
優美子の右手をしっかりと握って洋祐。
「そうそう、旦那さん、奥さん、しっかりね~。」
分娩台で仰臥位の優美子に的確なアドバイスの助産師。
「ひっ…、ひっ…、ふ…あ゛~~~!!!あ゛~~~~!!!!」
「いいよ、いいよ~その調子~。は~い、頭~出て来たよ~。」
「んあ~~~~!!!!あ~。」
「優美子―――――ッ!!!!」
「は~~い、おめでとうございま~す。かっわいいあかちゃ~ん。」
そして数秒後。
元気な声、
「んぎゃ~~、んぎゃ~~。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。