「お姉ぇ…、大輔が…。」 とうとう政美も泣き声になり、弥生に抱き付く。
「うん。私も報せを聞いてびっくりして…。父さんに電話したら、もう向かってるって…。病院の前で一緒になって…。…で、大輔は…???」
首を横に振る政美。
「どうして…また、こんな事に…???」
「轢き逃げ…。」
朱実と陽子。
「うん、そう…、轢き逃げ。」
慎二と智志。
「轢き逃げ…!!!」
家族たち。
「楓と大ちゃん…、何にも悪くない。それどころか…おばあちゃん…、助けたのに…。」
涙流しながら陽子。
「横断歩道の途中で、車椅子に乗ったおばあちゃん、道路の凹みみたいなのに車輪が嵌って動けなくなってたの。」
「……。」
「たまたま偶然それを見掛けた楓が…、大ちゃんと一緒に車輪を凹みから出してあげたの…。」
「……。」
「そこに白いワゴン車みたいな車が…いきなり楓と大ちゃんを…。…あんなの…逃げられないよ。」
「…と、言う事は、そのまま逃げた…。」
政美。
「うん…。私たちが楓と大ちゃんに駆け付けた時にはもう…交差点、別の方向に…逃げてった。」
そこまで話して陽子。いきなり、
「わぁ―――――っ、私もう駄目だよ、智志――――っ!!!」
そう言って智志に駆け寄り抱き付く陽子。
泣きながら、そして…、かなり震えながら…。
それを見た朱実も…、もはや限界のように、静かに慎二に歩み寄り、
「慎二―――――っ!!!わぁ――――っ!!!」
楓の家族と大輔の家族…。
「えっ…、あなたたち…。もしかして…???」
「あらま…。」
弓枝。
「そういう事…。」
政美。
「だか…ら…、楓と大輔君。…そう…言えば…。」
「はは…、大輔…スマホに楓ちゃんの名前…。」
「えっ…、政美…、んじゃ…大輔の彼女って…、その…楓ちゃん…???」
弥生。
「…ん…。そういう事…。」
「わっ。」
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