リビングの電話が鳴る。 「ん…???楓か、今から帰るって電話…???」
弓枝が電話に出る。
「はい、橘です。」
聞き覚えのない声…。
「はい…楓は私共の娘で…。……えっ!!!!!」
電話の向こう…、
「奥さん、奥さん…。」
「……。」
いきなり意識が遠ざかる弓枝…、懸命に…取り戻そうと…。
「…で、で…、楓は今…???…あっ、はい、三浦…海岸の鴻南病院…。はい。」
そう言って電話を切る弓枝。
突然の知らせに蒼白い顔のままで…、
「お父さん、お父さん、お父さん、お父さん、お父さ――――んっ!!!!」
そしてこちらも、夏休みの政美が電話を取る。
「はい、橘樹です。はい…???救急…た…???ええ…、大輔は私の…おとう…。え゛―――――っ!!!!母さん、母さん、母さん。大輔が…。」
最後は泣き声で政美。
「どうしたのよ、電話…誰から…???」
睦美。
一気に涙声になって政美。
「大…輔が…、交通事故で意識不明…。」
電話の声…、
「もしもし…、もしもし…。」
「あっはい、大輔の母ですが…。大輔が…交通事故って…???」
額に右手を当てて睦美。
「あっはい、三浦海岸、鴻南病院。…んん…。あっはい。すぐに向かいます。」
2時間後…、
「あ―――――、おばちゃ―――――ん。楓が…、楓が…、わぁ―――――っ!!!」
弓枝に抱き付く朱実と陽子。
「まぁ…二人とも…、うんうん…。…で、楓は…まだ…???」
「まだ…救急室から…。」
智志。
「うんうん、智志君に慎二君。みんな…怪我はないの…、大丈夫なの…???」
「まだ…何も…分からない。」
慎二。
「そうか…、まだか…。」
佳之。
「おじちゃん。」
泣きながら朱実。
「うんうん、みんな、無事で良かった。」
「すみ…ません。橘樹…ですけど…。」
突然、政美。
「あっ…、大ちゃんの…お姉さん…。」
陽子。
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