紗友莉は再び両膝に顔を埋め、また上げて、首を縦に振り。 「笑っちゃうよね、私…。余りの馬鹿さ加減に…。ん…。」
涙声になり、そして鼻水を一生懸命に、
テーブルにあったティッシュペーパーで拭いながら…。
「優しく…された人…、それってね…。拓哉なの…。河合拓哉。」
その時、その名前を聞いた健介自身が、
「!!!!」
「おま…、あの…河合さんと…???」
「…ん…。」
「おいおい…おま…。え~~!」
今度は肩をだら~んと落とした健介…。
「えっ…、でも、おま…、あの河合さんって…確か…。」
「…ん…、そう…、結婚してる。」
「…だよな…、この前…。…じゃ…なんで…???」
「…この前の食事した時に…、初めて知った。彼と出会ったのも随分前になるの…。」
「……。」
「…もぅ…、どうしようもないよ…。」
「…って…、言うか…。…でも、それって…、今日の昼過ぎのおまえの…、どう…繋がるんだよ…???」
「……。」
「紗友…???」
「健介…。」
「…ん…???」
「私…、見ちゃったの…。」
「…えっ…、何を…???」
「健介…、怒らないで…聞いてくれる…???」
「何を…???」
「私…見ちゃった…。健介と…片倉…奈々子…。」
「!!!」
「人違いだと思って…、もう一度見たら…、やっぱり…、健介と…片倉…奈々子…だった…。」
その時、健介は口を開け、右手で口を塞ぎ、額に当て、
紗友莉に言う言葉が出て来なかった。
数秒程、沈黙が続き、今度は少し、
いつもの口調に近づきながら…。
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