レジの店員を見る紗友莉。 自然に目が店員の胸のネームプレートに走る…。
「片…倉…奈…々・子。」
その時…、
「お…待たせしました…。あ…、ありがとうございます。」
カウンターに置かれた雑誌を持って…。
少し、蒼白い顔をして…紗友莉…。勇気を出して…、
「あ…な…た…、もしかして…あの…、片…倉…さん…???…片倉…奈々子…さん…???」
口の中が何故かしら…乾いたような感じになって…奈々子。
「あっ…、はい…、片…倉…です。」
「…そ…う…。」
「…あっ…、はい…。」
「…じゃ…あ、私…知ってますよね…???」
「…あ…、いや…、あ…、はい…。たしか…、鮎…川…さん。」
そのまま紗友莉は…口を噤んで…。
「あり…がとう…ございます。3,420円になります。」
あのレストランでの奈々子の恰好とは、全く別人のその恰好を見て紗友莉…、
財布から千円札4枚を出して、
「あな…た…が、あの…。」
「……。」
何も言わずにお釣りを取り出し、紗友莉に釣銭を渡す奈々子。
ぎこちない感じで…。
そして…紗友莉にお辞儀をして、
「ありがとう…ございま…した。」
そして顔を上げた時には、蒼白い顔をして、瞼を赤くした紗友莉の顔…。
口を噤みながら、店の玄関へと…。
そして外に出て、足早にその場を立ち去る紗友莉。
それを見送った途端に、目を閉じて、後ろの壁に背中を付けて…、
「あ~っ。」
数秒…立っていられない状態だった。
「なんで…。」
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