もう既に、そのテーブルでは普段の奈々子と健介の姿があった。 特に何も隠し立てのない、極々そのままの奈々子と健介。
もちろん、レストラン風花の店に入ってくる客には真っ先に、
目に入る女性がモデルの片倉奈々子である事は一目で分かるのだが、
それでもごく自然の客としての立場をわきまえてくれている、
その環境が奈々子と健介には嬉しかった。
そして、時には席を立つ客から自然にお辞儀をされ、
また手を振られる事に気軽に応える事が出来ると言うのも、
幸せの瞬間でもあった。
「奈々子…、愛されてるな…ん…???」
ビールを一口飲んで健介。
「こういうのって、良いよね~!ふふ…。ありがと…健介…。」
「…ん。」
「さてと…。では…行けるとこまで行ってみますか…。逆に…私が…着いて行けるのかしら…奈々ちゃん…???」
と、自分の椅子から離れて窓の外の東京のビル街と緑の風景を眺める奈緒美。
「ちょっと、ちょっと、ちょっと、こんなに…出来るの~健介~室長~!うっひゃ~!」
と、取引先のナテュールからの新規の受注量に、
ブラウスの袖まで捲って、仕事に奔放する紗友莉。
「しかも…何で作ってもいないのに予約が溜まっちゃう訳~???んもう…拓哉―――ッ、奈々子―――ッ!」
と、ひとりごとをぼそぼそと呟きながら…。
「あ~んもう…。どんだけ…。」
河合拓哉と片倉奈々子のコラボが好評なのだった。
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