由紀と登喜子を背にして隆司。 何も言わずに腰を落としながら仕事を続ける。
そしてすぐさま腰を上げてまっすぐ立ち、
「は~~!」
そんな隆司の後姿を見ながら由紀と登喜子が、
お互いに顔を見合わせニッコリと笑顔。
登喜子が隆司の背中に、
「あんたっ!」
そして由紀が…、
「じぃ、良かったね。」
ふたりには何も答えずにまた手を動かす隆司。
「そっか、じぃ、何も言わなかったか。」
と、薫。
「うん。でも、じぃの背中…、なんだか…泣いてたみたい。」
と、由紀。
「そっか…ふっ。…だな~!」
そこに、部活から帰って来て、
「母ぁ~腹減った~!なんかねぇ~???」
と、由紀の弟の和志。
「あ―――和志、すんごいニュース、ほらほら。」
「…ん~何や…???」
「片倉さん、お疲れ様。いいの出来るわよ~お楽しみ~!」
スタッフからそう声掛けられて、
「えっ、本当~???ありがとう~お疲れ様~!」
撮影が終わり、特に用事がある訳でもなく、
普段着のまま街で時間を過ごす奈々子。
帽子を被り、そしてファッショングラスをして、夕方の街のウィンドウショッピング。
書店の仕事も今日は休みで、自分の時間を満喫する奈々子。予め健介からは、
今日は夕方からメーカーの担当者と食事会との連絡をメールで受けていた。
そんな中、バッグの中で着メロ。
「お~~い、ご飯食べよ。」
「何よいきなり、それしか最初に言う言葉はないのか…???」
「へへへへ~いいじゃん、いいじゃん、あんたと私の仲でしょう~!一緒に…ご飯しょ。」
亜矢子である。
※※※※※※※※※※※※※