「悪い事…言わない…。だから…彼は…止めときな。」 紗友莉の顔は、敢えて見ようとせず、
遠くに見える夜の街の灯りを眺めている、
さっきのジミーと一緒にいた女性。
「あなたは…一体…。」
「…さっきの私とジミー、見たんでしょ。…それなら…尚更よ。」
「あなたは…ジミーさんと…???」
「え~っ、私とジミー???」
そう言って、初めて紗友莉の顔を見て体を室内の方に向け、
バルコニーの手すりに背中を当て、腕組みする女性。
「それ聞いて…、どうしようっていうの…???」
「……。」
「…ね、言ったわよ、彼は止めときな…って。」
そう言って、バルコニーの手すりから背中を離し、歩き出す女性に、
「…あ、あのぅ…。」
そう言う紗友莉の顔は見ず、真っ直ぐパーティー会場の室内に目を向け、
「あっ、そっか…。そうだよね。これじゃあフェアじゃないよね。」
そう言って、紗友莉に流し目で、「クスッ!」と、笑い、
「遥子よ。」
「…えっ…???」
「遥子。私の名前…、遥子って言うの。大沢遥子。モデルよ。混血だけどね…。あなたの名前…知っているのに…、私の名前…あなたが知らなくっちゃ…、フェアじゃないでしょ。言ったわよ私…あなたに…。彼は…あなたが付き合えるような…、そんな男じゃないよ。…手に負えないよ。」
「えっ…???それって…???」
「知り…たい…、よね~!…ふふ…、彼に聞いてみな!」
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