「…いや…紗友に…ファン…。」 「そうよ~若くて可愛いボーイ。だめよ健介…やきもち妬いちゃ。」
「…って…、やきもちって…お前…。」
内心、奈々子と逢っていたことが、バレたのかと思い、
一瞬ひやりとした健介でもあった。
その証拠に、すぐさま、顔を紗友莉から逸らしながら、
「そっか…紗友に…ファンか…。若くて…可愛いね~!」
「何よ、健介…。気になる…???」
「…えっ…、あ…、いや…。ファンなんだろ…、ファン。」
「そうよ…ファン。」
「ふ~ん、ファンか。」
そう言いながら椅子に座る健介を見て、
紗友莉は少し視線を落としながら仕事に向かう。そして小さく…、
「あの女性…。あんな恰好…。」
奈々子はいつも通りにレジでお客様相手、そして時間を見計らって、
書籍の整理、そしてまたモデルの撮影で日々が過ぎていた。
健介は健介で、日々紗友莉の顔を見ている手前、
紗友莉のファンと言うメーカーの男性も気になってはいたが、
それでも一番は、このところ、
ホンの少しでも送ってくれる奈々子からのメールが一番の楽しみになっていた。
お互いに仕事の都合で逢う事も頻繁にと言う訳には行かなかったのだ。
奈々子の方も勤務は書店とモデルの行ったり来たり。
そして健介の方も、一会社の室長と言う肩書もある通り、勤務には多忙も重なる。
当然新規のお客様も開拓する必要もあり、アパレル業界としても、
常に同じメーカーに依存していると言う事も…限らなかった。
そんな折り、紗友莉の携帯に…、
「あ…ハイ、鮎川です。ジミーさん…。」
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