撮影場所を変えてしっかりとモデルの仕事を熟した奈々子は、 スタッフに挨拶して、また書店スタイルになり勤務先に向かう。
帰り際に小川から、
「奈々ちゃん、お疲れ…。その恰好…また…仕事…???ハハ…そうか…、頑張って。」
「ありがとう…、小川さん。じゃ…行ってきます。」
駅に向かう道すがら、携帯を見ると健介からメールが届いていた。
「奈々子のモデル姿…観させてもらったよ。すんげぇ感動。すんごく嬉しかった。」
そのメールの内容に、
「アハ…健介…来てくれてたんだ。そっか…。」
実際、撮影中の集中力は自分の表現がどれだけカメラに伝わるか…。
例え、表現は柔らかくとも、常に緊張感との背中合わせ。
遠くに健介の姿があろうなどとは奈々子の視界には入っていなかったのである。
そしてそのまま健介の電話番号に…。
「はい、奈々子~お疲れ。観たよ。」
「うん。メールありがと、来てくれてたのね、ありがと。」
「凄いよ奈々子。初めて見た、あんな奈々子。」
「へっへ~でっしょう。ねね、健介、今日、何か予定ある…???」
「…ん…、いや…別にないよ。…ん…、って~事は、会えるか…???」
「うん。…じゃあ、仕事終わったら、また電話する…いい…???」
「ああ、良いよ。特に予定ないから、電話待ってるよ。」
「うん、分かった。じゃ…後で…。」
そう電話を切って、気分良く歩き始めた時、すれ違う一人の女性。
なにやら奈々子を見ながら、「クスッ」と笑った感じがした。
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