水曜日の午後12時10分過ぎ、健介の携帯に着信。 「お~っと、ヤバイ、ヤバイ、来た来た来た。」
と、健介が思わずアトリエを飛び出す。
そんな健介を見て、
「…ん…???」
と、少し疑惑的な顔をする紗友莉。
電話を済ませアトリエに戻って来た健介に、
「何…???友達からでも電話…???ヤバイ、ヤバイなんて言ってたけど…。」
「…ん…、まぁ…そんなとこ…。別に…気にする事…ないんだけどね…。あっ…、そういやぁ、紗友…、今日も…弁当…か…???」
「…ん…ん…、そう。…まぁ…この歳だし…、まぁ…そろそろ…ね…。将来のための…。」
「そっか…。」
と、言いながら…少し語調を低めて…、
「将来のためって…、誰のため…だよ…???」
と…、低い声で呟く健介…。
「…ん…じゃ…、仕方ないか…、俺…飯…行ってくるわ。」
「うん。行ってらっしゃい。」
そんな健介を見送ってから、少し時間を置いて、電話番号を押す紗友莉。
会社を出て、通りを歩く健介は、少し気分が良かった。
それもそのはずである。先程の電話は、
奈々子からの今日の出会いの確認だったのだ。
「あっ、松下さん。今日の夕方…大丈夫???私…、夕方、6時半にはお店…出られるけど…。」
「OK、大丈夫だよ。逢えるの、楽しみにしてるよ。サンキュ~!」
「ありがとう。じゃ…、お店で待ってるから…。」
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