辺見との仕上がったサンプルを元に、 打ち合わせをしてお互いに合致した紗友莉、
既に打ち合わせを終了してみれば夕方近くになっていた。
いつも通りに辺見から紗友莉に、食事の誘いがあったのだが、
今回ばかりは丁重にお断りをして取引会社を後にした。
「あらら…紗友ちゃん、今回はダメ…か…。残念…。じゃ…また今度ね。旦那によろしく~!」
そんな辺見の言葉にニッコリ微笑みながら、
「辺見さ~ん、そういう事…言わない~!」
紗友莉が足を進める向こう、太陽が静かに西の空に傾き掛け、
少しずつオレンジ色の雰囲気を醸し出していた。
相手が今何をしているのかは分からなかったが、
それでもどうしても電話せずにはいられない人物がいた。
向こうから電話をするとは言っていたが…。
何故か、今、声を聞かずにはおれない人物がいた。
歩きながら数時間前に掛かってきた電話番号に再び指を押さえ…。
「え~~また…留守録~???…ったくもう…どうなっちゃってんのよ~!」
と、そう言った途中で、
「もしもし…僕です。」
と、いきなり相手の声が耳元に…。
「えっ…あっ、えっ…、あ…わたし…鮎川です。」
その瞬間、紗友莉の脳裏に…、
「…やっぱ~!今の…聞かれちゃった…かな…???」
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