今は、この恰好のまま、この人と話していても、 自分が惨めに見えると感じ…。
その証拠に周りの客や店の店員の視線も気になり、
「ごめんなさい、私そろそろ…。」
そして、奈々子が椅子から立ち上がり、席を外すと同時に、
「今度は俺の方から電話…する…ね。」
その言葉に一瞬足は止まったが、そのまま歩を進め、
店を出たのだった。
「彼の…電話…番号…。」
昨日の夕方にその電話番号に掛けてから、
何故かしら…削除はしていなかった。
そしてまた書店の朝が始まった。
「工場からサンプル届いてる~???」
と、紗友莉。
「おぅ、さっき届いたばっかりだ。」
と、健介がアトリエの壁のラックに掛けてある、
ドレスパックされたままのファーストサンプルを指差して、
「じゃ…これから行ってくるわね。メーカーに見せなきゃ…。」
午前10時を過ぎたアトリエで、メーカーと電話で話していた紗友莉が、
一度サンプルに目を通し、サンプルを持って、アトリエを出て行く。
メーカーに着けば、担当者が急な会議が入ったとの事で、
少しテラスで時間を潰していた紗友莉の携帯に着電。
「えっ…、この番号…!!!」
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