「…と、は言え。…って、何よ。」 「もしかしたら…あんた…紗友…???ひょっとして…???」
「ひょっとして…???」
「…んもう~私の言いたい事…分かってるでしょ。」
「…ん…???真子の…言いたい…???…ん…まぁ…。」
「…12年よ、12年~ッ!」
そうなのである、12年。高槻真子の心配事は、正に12年。
この12年と言う長い年月。松下健介と鮎川紗友莉、
恋人同士ではありながら…、結婚までは至っていないのである。
付き合っていながらにして、ふたり共…何故かしら…「一緒になろう…。」と、
言う段階にまでは至らなかったのである。
日々生活している住まいも別々である。
たまにどちらかの部屋で共に一夜を明かすと言う事はあるのだが…、
いわゆる…、健介も紗友莉としても、お互いに束縛されるのを嫌っていた。
そんなふたりではあったが、その12年の間に、
別れ話もありはしたが、その度に真子が中に入り、
宥めていたと言うのが過去から現在に至っている。
その危機的状況と言う場面も、どちらかと言うと紗友莉の方が、
真子に泣き付くと言うケースだったのである。
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