「実はその写真を見て、俺もびっくり。まさか…。と、思ったんだけど…。見れば、見るほど、あの時の君なんだ。…で、失礼を承知で、ルポゼ関連の雑誌を虱潰しに見て、辿り着いた…と、言うのが…片倉奈々子と言う女性の名前。」
その頃には既に、周りは殆ど、別の客層に変わっていた。
奈々子の鼓動はまだ高鳴っていた。
そして…、
「まさか…あの時、頭をぶつけて、メガネ外した私の顔…。あの…時の私の顔で…、この…写真…、結びついた。…と、言う事…???」
「偶然が…、偶然を呼んだの…かもしれないけど…。ただ…、これだけは言える。」
奈々子の鼓動は、あの時、カメラマンの小川直樹から電話があった時と、
同じような感覚を覚えながらも…、けれども何処かで、
「…私を探してくれてる人…。」
そんな風にも感じられて、ある意味では、程よい緊張感を感じていた。
つまりはこうである。
相手がどのような人物かは皆目見当は付かない訳だが、
けれども、そんな見当はずれの人物に、自分自身を見抜かれたと言うのが、
奈々子自身、嬉しさも加味し始めていたのだった。
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