「美味しい???そっか、良かったね~!」
裕子の右脇にしっかり寄り添うかのように、
大好きなアイスクリームを食べている、
7歳になる杏子を見ながら…。
「…私…、杏子ちゃんに助けられちゃったもんね…。」
「思い出したか…、弘美君。」
先ほど、彼が座っていた席には、
もう別のカップルが座っている。
「あの頃、あんた…酷かった。…でも私もおんなじ事…経験した経験者。でも、私にはこの子がいる。」
杏子の髪を優しく撫でながら、
裕子もまた愛する夫を失ったひとりだった。
愛する夫を亡くした事情は異なるが、
病気による死亡、しかも仕事中に突然体を襲った心筋梗塞。
裕子もまた、弘美同様に、夫を亡くした後は自身喪失であった。
しかも、それは自殺未遂にまで発展する程に…。
結局、何度連絡しても繋がらない裕子の身を案じた、
夫の後輩が自宅に訪ねて、
浴室で倒れている裕子を発見して救急車で病院へ…。
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