「彼…帰るみたいよ…。」
レジで支払いを済ませ、連れの男性と共に、
出口に買向かう後姿。
連れの男性から肩を軽く叩かれながら歩く姿に、
何故かしら、その若い姿に昔の夫の姿が一瞬、頭を過る…。
「行っちゃったね。…ハハァン、もしかして…気になるんでしょ、久し振りだったから…男性から肩なんて触れられるの…。」
「…そんな事…。あるわけ…ないでしょ。」
「…ってね~!しっかりと顔に書いてあるわよ。」
気になる…、そんな事ではないが…、
ふと思い出す夫との若い頃のこういう店での場面。
もうすっかり色褪せた思い出でもある…。
左手の薬指の指輪の跡もいつの間にか消えてしまい、
そんな昔の思い出は、日々の忙しい仕事が、
いつの間にか掻き消してくれた…。
それでも体の何処かで小さなコラージュとして、
消えずにいたものが、
また…小さく、微かに疼き始めた…。
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