3/27(木)は、仕事は休みでしたが、職場に向かいました。というのも…
「ルーマニア国際ジュニア音楽コンクール」が、私の勤務先の中にある区民ホールで開催されたので、聴いてみようと思ったんです。
このコンクールは「日本ルーマニア音楽協会」が主催で、今年8回目を迎えます。
「ピアノ・ソロ」「ピアノ連弾」「弦楽器」「管楽器」「ギター」の5部門があり、それぞれ「年中・年長」「小1・小2」「小3・小4」「小5・小6」「中学生」という5つの年代別で競うものです。
今年は札幌・福島・長野・東京・神奈川・愛知・岡山・徳島・福岡で予選会が開かれたほか、動画審査もあり、それらを勝ち抜いた面々が今回の本選に参加しました。
3/27(木)にピアノ・ソロとピアノ連弾、3/28(金)に弦楽器・管楽器・ギターの演奏が行われます。優秀な成績のお子さんは、ルーマニアへの演奏旅行に参加する権利が与えられます。
ホール入口はこんなふう↑。私は去年「ピアノ部門の本選」の日がちょうど出勤日で、休憩時間にちょっとだけ観ることが出来ました。
今年は休みになるよう事前にシフトを申請して、ピアノ・ソロとピアノ連弾の部門を拝見しました。ジュニアとは言え、本格的なピアノコンクールをじっくり鑑賞するのは初めての体験でした。
ブログを通じて交流させて頂いている加林あき子さん(徳島県でピアノ教室「Dear Piano 音楽室」を主宰されてらっしゃいます)がお越しになるということで、会場ロビーでご挨拶だけさせて頂きました。モザイクの上での画像UPはご了解いただいております。
加林さんは私のブログを良く読んでくださり、私がバレエの素晴らしさについて熱く語った時「美しいものに触れる悦びは音楽もバレエも同じだから」ということで、私の記事をコピーしてピアノ教室の生徒さんたちに配って頂いたそうです。書き手としては本当に光栄で、有難いことだと思っております。
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というわけで、3/27(木)はピアノソロ部門130人、ピアノ連弾部門4組が勢ぞろいしての本選となりました。
そんなにたくさん出るの!と思いますよね。でもジュニアなので、年小・年中と小1・小2は3分、小3~小6は5分、中学生は8分以内の演奏と決められています。なので次から次に奏者が登場して演奏して、すぐ次の人と交替するシステム。
会場は400人ぐらい収容できますが、一般には告知していないので、聴いているのはコンクール参加者のご家族がほとんどのようです。入場は無料。
このホールに備え付けのピアノは、スタインウェイ、ベヒシュタインと並んで「世界3大ピアノ」の一つと言われるベーゼンドルファー。
私もピアノに関して、これぐらいの知識は持てるようになりました。数年前に訪問した、浜松市の楽器博物館のおかげです![]()
ちなみに半年に一度ぐらいの割で調律士の方が赤いアウディでやって来て、半日ぐらいかけて調律していきます。
審査員は、日本ルーマニア音楽協会理事長の嶋田和子さんはじめ5人いらっしゃいました。
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私は午前中は用があって午後からお邪魔したので、小3・小4部門の終わりの方から見せて頂きました。特に印象に残った奏者さんについて触れておきますね。
ただし結果発表は全部門の演奏終了後の3/28(金)の夜なんです。結果を見てから書いたと思われたらシャクなので(笑)その前に書いておきます。
ちょっと前置きになりますが、私は音楽にかぎらず、小説でも絵画でもバレエでも陶器でも詩や俳句や短歌でも、いわゆる芸術一般に「せっぱ詰まった感じのもの」が好きです。「こうやったらウケるかな」とか「こうやれば儲かるぞ」みたいな計算はなくて「自分でもなぜだか分からないけど、どうしてもこうなってしまう」「これをやっていないと自分は生きていられない」みたいな雰囲気があるもの。
言い換えると、ピアノでもバイオリンでもバレエでも詩でも小説でも陶芸でも、それが作者にとっては水や空気のように不可欠なものであって欲しいんです。
今回も、奏者さんたちの演奏に触れながら、そういう感じがあるものを探していました。
この日、聴き始めてすぐだったから小3・小4部門だったと思います。ベルコヴィッチ作曲『パガニーニの主題による変奏曲』を弾いた清水菜那さん。私は「おお、これだ!」と感じました。
どこがどうって言葉に出来ないのですが、なんていうか、ピアノに魂を売り渡したような感じ。身体の中に「ピアノの魔物」が住んでいますね。それにピアノ(楽器)の側も気がついて「お、この子はちょっと違うな。じゃあこちらも本気を出してやろう」という気になって、良い音を鳴らしている。そんなふうに感じました。
続く小5・小6部門では、まずバルトーク作曲『ルーマニア民族舞曲 第1、3、5、6曲』を弾いた阿部芳美(ほのみ)さん。
この人も、まだ幼いのに既に体内に魔物がいる感じ。ブルースでいう「クロスロード伝説」を思い出しました。十字路の真ん中で悪魔と取引して、ブルースを歌い弾くテクニックを身につけたっていう。
シャブリエ作曲『スケルツォ・バルス』を弾いた白木実織(みおり)さんは、そこまでの凄みはないけれど、テクニックの確実さが際立っているように私には見えました(ピアノど素人のくせして、何を偉そうに!と思われるでしょうけど、お許しください)
また、鑑賞方法としては邪道だと思いますけれど、女性奏者の皆さんの美しいコスチュームを観るのも、私には楽しみのうちでした。
この日のためにわざわざ作ったのか、それともレンタルかもしれませんが、キラキラとスパンコールのついたドレスに、髪にはティアラをつけたり。ジュニア世代とは言っても、「ここぞ!」というお洒落が出来るのは嬉しいだろうなと思います。
その点では、シューマン=リスト『献呈』を弾いた塩田レナさんの美しさが印象に残りました。もちろん演奏のほうも申し分ありませんでしたが。
ドビュッシー作曲『ピアノのために プレリュード』を弾いた小林京慎(けいしん)さんには、私が持ち帰ったプログラムには名前に二重丸が◎ついています。よほど良かったのでしょうね。ちょっとどこが良かったのか思い出せなくてスミマセン。
ドボルザーク『夜の道 詩的な音Op85 No.1 B.161』を弾いた加来葉純(かく はすみ)さん。この人は、一人だけ別世界から来たようでした!
自分の身体と音楽とピアノが一体になっている感じ。手先・指先だけでピアノを弾くのでなく、身体全体で弾いています。ゆったりとした肩~腕~手~指の動きが、まるでバレエダンサーのよう。私は音楽よりもその優美な連動に見とれてしまいました。あの動きを観るためにお金を払ってもいいくらいです。ドボルザークの曲も良かったですけど。
ドビュッシー作曲『アラベスク第1番』の大浴優果(おおえき ゆうか)さん。選曲が良かったですね。聴き惚れました。これぞドビュッシー、という感じ。
身体の動きの美しさという点では、ギロック『金魚』を弾いた木村風結(ふゆ)さんも目を見張りました。でもこういうのって、審査員の目で見ると「無駄な動きが多い」「役者じゃないんだから演技は不要」みたいに言われるのかな?とも思いましたが、どうなんでしょうね。
ここまでが小5・小6部門です。ここから中学生部門。
アルベニスの『アストゥリアス(伝説曲)』を弾いた青木幸孝(ゆきたか)さん。彼こそ、まさにピアノの魔物を体内に隠し持っているに違いないと思わせる演奏でした。
どこが?と言われても説明できません。ピアノの先生に褒められたいとか、コンクールで入賞したいとかよりも「俺にはこれしか無いんだ!」という現実の重さを鍵盤にぶつけて来る感じ。この日いちばん私の心に響いたのは彼のピアノだったです。ロックで言えば全盛期のレディオヘッドみたいだった。
リスト作曲『ハンガリー狂詩曲 第8番 S.244/8嬰ヘ長調』を弾いた後藤平介さんは、音の響きが綺麗だなと感じました。
全員同じピアノを弾いているのに、彼の演奏は音が澄み切って聴こえたのが不思議でした。なぜなんだろう?
シベリウス『10の小品 カプリスOp.24-3ホ短調』を弾いた原田葉那さん。この方も演奏する時の全身の動きが実にしなやかで優しく美しく、魅力的でした。ピンクのロングドレスが目に焼き付いています。
演奏もひときわ素晴らしく、審査委員長の嶋田先生が、彼女の時だけ、演奏が終わって舞台を降りる姿をデジカメで撮っていました。顔や姿を覚えておくためかなと思いましたが、どうなんでしょうね。
ベートーヴェン『ピアノソナタ第14番 嬰ハ単調 作品27‐2 第3楽章』を弾いた村瀬萬紀(つむぎ)さん。男性のように見えましたが、長い長いヘアをポニーテール…よりもっと長く背中に垂らした姿が印象的でした。「我が道を行く」感じがイイネ!
カバレフスキー『ソナタ 第3番 ヘ長調 Op.46 第3楽章』を弾いた櫻井陽介さんは、この日の奏者さんの中ではテクニック的にいちばん目を引かれました。右手が左手と交差したかと思うと、すぐ逆に左手が右手と交差する。それも何度も何度も。
変な連想ですが、私はファミコンの「高橋名人」
を思い出していました。おかしいですね。でもそれぐらい超人的な技量のように見受けられました。
櫻井さんのすぐ次の、ショパン作『ボレロ長調 作品19』を弾いた中村怜那さんは、まず弾き始めの音の大きさにビックリ!そしてテクニック的にも目を見張りました。
ただ…ど素人の私が言っては失礼なのは百も承知なんですけど、いちばん年かさの中学生部門の皆さんの演奏を聴いていると、どうも「お仕事感」というか「宿題、やってます」みたいな雰囲気を感じてしまったんです。入賞のためにしのぎを削るコンクールだからでしょうか?
一生懸命に弾いているのに本当に申し訳ないのですが、のびのび、楽しそうに、あるいは評価を気にせず自分がやりたいように自分を表現しても良いのでは?などという考えが私の脳裏に浮かんだのでした。ハズレていることを祈りますけれども。
その意味では、ショパン『バラード第一番 ト短調 Op.23』を弾いた大角慶一郎さんはしっかり自分の世界を持っていたように見えました。「これが自分だ!」という意識は、服装、ヘアスタイル、表情などに表れますよね。
「人と違うからこそ、自分」という意識は、特に芸術の世界で生きて行こうとするなら、真っ先に必要なものかと思います。
最後の連弾部門は、1台のピアノを二人並んで弾くスタイル。私は初めて聴きました。4組だけの登場でしたが、皆さんとても親しみやすい曲ばかりで、最後を柔らかな空気で包んでくれたのが良かったです。
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午後1時から何回かの休憩を挟んで夜9時ぐらいまで、ほぼずっとホール内でピアノ、ピアノ、ピアノ…を聴き続ける1日でしたが、とても楽しかったです。1曲1曲が短い演奏で、奏者さんも次々に変わりますから、長いコンサートを飽きずに鑑賞したような気分でした。
まるでオープンテラスのカフェでテーブルに座って、目の前を右に左に通り過ぎるたくさんの人たちを目で追っているような感覚もあり、楽しめました。良い体験をしたと思います。
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ひとつ頭に浮かんだ疑問。今回の奏者さんたちが選んだ曲は、弾き始めからいきなり指の動きが速くて複雑で、見るからに「難しそう!」な曲が多かったように感じました。
これはやっぱり、審査員の皆さんに「私のテクニックを見て!」とアピールするためなのでしょうか? そのへん、加林さんにお訊ねしてみたいところです。
また、審査員の皆さんはどこをどう評価するんだろう?とも思いました。「正確性」「音量」「情感」「安定性」「将来性」みたいな項目があって、それぞれに10点満点で点を入れるとかですかね。この辺も専門家に伺ってみたい。
帰宅してから急いで書き始めて、もう3時間が過ぎました。さて、審査結果と私の個人的な感想、どれくらい合ってどれくらいズレるか、楽しみです。





