よくお菓子を失敗することはあるのかと尋ねられることがあるんですが、しょっちゅう失敗しています。
最初の頃は落ち込んだりもしたけれど、そこから発見があったり、経験することで身に着いた技術は忘れず次に繋がることを知っているから、今となっては大歓迎です。
それが元になり生まれたお菓子もたくさんあって、このショコラテリーヌもその1つ。
以前チョコレートケーキを作った時、うっかり薄力粉を入れ忘れて焼いてしまったことが何度かありました。
粉を入れないケーキは、オーブンの中では膨らんでも、とり出したとたんにぺったんこ。
でも、そんな時は冷やして食べると濃厚で美味しいんです。
じゃあ最初から入れず、もっと柔らかくなめらかに、しっとりできないかと配合や焼き時間を変えて、出来上がったのがこのテリーヌ風チョコレートケーキ。
テリーヌと言えばフランス料理ですが、実は型の名前で、ここではパウンド型で代用します。
ねっとりと絡みつくなめらかな質感、まるで生チョコを食べているかのような口どけと風味。
常温だとスプーンですくって食べることもできるくらいの柔らかさなので、ココットで一人分ずつ焼くのもおすすめです。
ハンドミキサーも使わなければ、ワンボウルで出来てしまう味とは思えません。
チョコレートが味を左右するので、カカオ分が高いクーベルチュールなど、ぜひ美味しいものを。
ストロベリーチョコ、ホワイトチョコ、抹茶のチョコレートで作ってもそれぞれの色と味が楽しめそうです。
~作り方~
10×5×H4cmのミニパウンド型
チョコレート 70g
無塩バター 50g
微細粒グラニュー糖 20g
卵 60g (L1個分)
①オーブンを160度に予熱し始め、パウンド型にはオーブンシートを敷き、湯煎焼き(=型が半分くらい浸かる程度の熱湯と、型が浸かり水漏れしない容器)の準備をする
→底が取れたり、継ぎ目がある型は、湯煎用のお湯が入らないよう底をアルミホイルで2重に覆う
②チョコレートとバターを湯煎にかけ、溶けたらグラニュー糖と溶いた卵を加え、しっかりと底から混ぜてつやが出てなめらかになったら型の8~9分目まで流し入れる
③数cmの高さから2~3回落として気泡を抜き、160度に予熱したオーブンで25~30分程度湯煎焼きし、中央がレアに近い状態で取り出す
④粗熱が取れたら型ごと冷蔵庫で冷やし、一切れごとに温めたナイフで切り分けると切り口が綺麗
→好みで抹茶やココアパウダーを表面にふるったり、粗塩をほんのひとつまみ振っても
~型について~
型はミニパウンド以外に、耐熱ココット皿に流して焼くとシートを敷いたり切り分ける手間がなく作ることができます。
その場合の上記の配合での出来上がり目安は、ココット2個分程度です。
18cmのパウンドケーキ型(材料がそれぞれ100gずつのパウンドケーキを作る際に使うサイズ)を使う場合の材料は、上記の3倍量を目安にして作ってみてください。
~濃厚ガトーショコラ~
材料を3~4倍量で作った生地を、15cmの丸型に入れて、180度の高温で20~25分程度(目安、オーブンにより要調整)焼くと、周りは膨らんで真ん中がへこんだ焼き上がりになり、濃厚なガトーショコラとしても楽しめます。
ガトーショコラとして焼く場合は、湯煎をせずに、中央は火が通るまであと一息という状態で取り出し(冷やすと固まります)、周りはややさくっと火が通っている状態がベスト。
一般的なメレンゲを立てる作業などもないため、失敗しにくく初心者さんにもおすすめです。
甘さは充分にありますが、粉糖を振って仕上げたい時には、表面がしっとりしているため泣かない(溶けにくい)粉糖を使いましょう。
~湯煎焼き・食感について~
薄力粉を加えておらずもともとしっとりと焼きあがるケーキなので、湯煎焼きが出来ないオーブンの場合などには、湯煎をしなくても固くなったり、作れないと言うことはありません。
テリーヌにしてもガトーショコラを作るもう少ししっかりとしたケーキらしい食感を求める場合は、やや温度を上げて火を通すか(170~180度)、型に流す前に振るった薄力粉かコーンスターチを卵1個分の材料につき10g程度泡だて器のまま混ぜ込んで焼いてみて下さい。
粉類を入れた場合、常温で食べる際に型崩れしにくく、また常温ではねっとりと更に濃厚な味わいになります。
