この記事で取り上げられているのは主には夫婦関係のようですが、友人でも同僚でも職場でも基本は同じです。「対人関係がうまくいかない」と悩んでいる方に役立つ情報ですので、ぜひ読んでください。
タイトルはThe 4 Bad Habits That Could Ruin Your Relationship(対人関係をダメにしかねない4つの悪習慣)で、Want to succeed? Do the opposite.(成功したいなら、それとは反対のことをやろう)というサブタイトルついています(→外部記事リンク)。
筆者はこの分野ではアメリカのマスメディアの露出も多く、ベストセラー本もいくつか書いているGregory L. Jantz博士です。
英文の語数は670語くらいで、難関大学入試の長い長文問題くらいです。入試だと「やや難しい英文」くらいに分類されそうですが、売れっ子の筆者だけあってたいへん読みやすく、とくに大人には疑問点のでにくい腑に落ちる内容です。英語学習をやっている方はぜひ英語にもチャレンジしてください。
では、最初から読んでいきましょう。
Your relationship with your significant other or life partner can simultaneously be the most difficult and rewarding thing in your life. However, a relationship is really more of a verb than a noun. Achieving and maintaining a healthy one requires us to constantly look in the mirror and evaluate what we can do better-how we can be better.
「大切な相手や人生のパートナーとの関係は、人生において最も難しく、かつ恩恵をもたします。でも、対人関係とは、実際のところ、名詞でなく動詞的な面がより強いものです。健康的な関係を築いて維持していくためには、常に自分を鏡に映して、もっと良くできないかつまり、もっと良い自分になるにはどうしたらいいかを考えることが必要です」
relationshipと言われると、その関係はいつも変わらない恒常的なものであるようにイメージするかもしれません。筆者はそうでないと言います。それは「名詞ではなく動詞」という比喩であらわしています。
The path toward achieving a rewarding relationship requires starting new habits and contributing to our relationship in new and improved ways. But along with that, ceasing destructive habits can often be the best thing we can do for ourselves and our partners. Consider these four common destructive habits and take some time for honest reflection: Are any of these slowly ruining your relationship?
「恩恵ある関係を築くためには、新習慣をスタートさせて、新たに改善されたやり方でみずから関係を強めることが必要です。しかし、そのとおりに実行していくには、破壊的な習慣を止めることが、自分にとっても相手にとってもベストだろうということが多々あります。これから述べる4つの破壊的な習慣を検討して、誠実な対応をするために間をとってください。これらのことはいずれもゆっくりとあなたの対人関係をダメにしていてはいないでしょうか」
冒頭でも使われているa path towards achieving X(Xを達成する道)は、英語話者は好きなのかよく目にします。a way to achieving Xがあまりに使い古された感もあり、よりちょっと堅い感じがいいのかもしれません。
さて、筆者は、対人関係を壊す主な習慣には4つあり、それを避ければ人間関係はうまくいくものだと主張しています。
では、その避けるべき4つの週刊を1つずつ見ていきましょう。
1. Giving the Cold Shoulder 「冷淡に対応する」
Every relationship is different, but they all have something in common: None is perfect! No relationship is immune to an occasional disagreement, disappointment, or upset. People handle these difficult situations in many ways, and some do so better than others. One of the most destructive responses, however, can be to do nothing at all. A cold shoulder, or the silent treatment, is some people's go-to reaction when they are angry or upset. This lack of communication, however, does not allow for any forward movement. Instead, it creates unhealthy stagnation which can breed misunderstanding and resentment-on top of the initial issue at hand. Next time you feel the urge to give your partner the cold shoulder, take a deep breath, collect your thoughts, and expose yourself to the vulnerability of honest communication.
「関係というものはそれぞれ違うものですが、共通点もあります。それは完璧なものがないという点です。ときどき起こる意見の不一致や、相手にがっかりしたり憤慨したりといったことに左右されない関係などありません。人はこういった面倒な状況にいろんな方法で対処します。それが得意な人も苦手な人もいます。でも、何もしないことは、最も破壊的な対応の1つです。相手が冷淡になったり怒ったりしているときの対応の仕方として、何も言わないという人もいるでしょう。でも、このようにコミュニケーションが不足してた状態だと、ことを進められなくなります。その代わりに、それどころか、そのことが目下の問題に加えて、誤解と怒りを生み出しかねない不健康なよどみを形成します。次回、相手に冷淡に対応したくなったら、深呼吸をして、考えを整理して、誠実なコミュニケーションのもろさに面と向かうようにしてください」
相手を怒らせてしまったと思ったときに、どうするかという内容です。「面倒だから黙っていよう」という人が多いけれど、それが関係の崩壊のきっかけになると警告しているわけです。黙っていないで、とにかくコミュニケーションをとろう、というのが筆者の提案です。
2つめ。
2. Keeping Score「点数をつける」
The saying, "Love is just a game," is problematic on many fronts. Most importantly, equating love to a game means that there is a scoring system, winners and losers, and, worst of all, cheaters! Keeping score in relationships, even for simple things like who took out the trash last, can become a toxic habit that undermines your connection. It takes the focus away from maintaining a selfless partnership, instead directing your energy toward competition. It's also crucial to realize that everyone, including your partner, may have a different "scoring system" for perceived acts of kindness, or relationship "deposits." Instead of keeping score of any kind, seek to understand your partner's love language, and to love them unconditionally.
「『恋愛はゲームに過ぎない』という言葉は、いろんな局面で波乱を起こします。最も重要なのは、恋愛をゲームに喩えると得点制で勝者と敗者がいることになります。また、最悪なのはズルもありだということになることです。対人関係に点数をつけると、この前ごみを出したのは誰かといった些細なことですら、関係性に影響する毒々しい習慣になりえます。あなたのパートナーを含む誰もが、認識された思いやりの行為、つまり関係上の「貸し」にそれぞれ「得点制」があることになるかもしれなと知ることもまたひどいことです。いかなることでも点数をつけるのではなく、パートナーの愛情から来る言葉を理解し、無条件で相手を愛することにつとめましょう」
つまり、対人関係を損得で考えるなということです。損得で考えた時点で、「自分はここまでやったのだから、相手もここまではやるべき!」などのように、まるでお金の貸し借りのようになってしまい、最後は「相手にわからなければズルしてもいい」というところまでいってしまう、そうなったらおしまいだ、というわけです。
3つめはかなり本質的です。
3. Making Comparisons 「比較する」
Our society is primed for making comparisons. Social media sites represent a perfect platform to make us covet the lives of friends and acquaintances. In such a culture, it's easy to get caught in the trap of comparing our relationships to other people's that may be painted through perfect photos, sappy updates, and location tagging at the most romantic sites in town. The reality, however, is that it's impossible to know the true depth and reality of any relationship solely through the prism of social media. Moreover, such a comparison study does no good for building and esteeming your own relationship. Next time you catch yourself social-media stalking another couple or coveting a friend's relationship, reinvest that time and energy into putting a smile on your own partner's face.
「現在社会は比較することに酔っている状態にあります。ソーシャルメディアのサイトは友人や知り合いの生活を羨むように仕向ける完璧なプラットフォームを提供します。そういった文化のもとでは、自分たちの関係を、完璧な写真と甘いコメント、そして街で最もロマンティックなところにタグづけした旅行先などで色づけられたかもしれない他人の関係と比べるという罠にたやすくはまります。でも、現実として、ソーシャルメディアのプリズムを通しただけの関係の真の深さや実際を知ることは不可能です。
他人の関係を理想化した上で、自分と比べれば、そりゃ自分のほうがダメに思えるだろう、内実はそんなにいいもんじゃないよ、というわけです。
「比べることが人間に不幸をもたらす」という考え方を私が最初に学んだのは、ジャン-ジャック・ルソーの『エミール』という本です。高校の授業で興味を持って、たしか大学1年のときに岩波文庫版で読みました。すごく影響を受けました。
この本で、ルソーは「他人と比べない人間」というものを、理想教育によって育てるという壮大な思考実験をおこないます。
その後、『むすんでひらいて』を作曲したのがルソーであることを知り、この思想家を大いに尊敬し憧れたのですが、さらに調べるとわりとだらしない人で人格的には欠点が少なくないことを知り幻滅したのですが、でもそんな人ではないと『エミール』なんて書けるわけがないとわかった時点で、私もすこし成長したのかも、なんて思ったりして。
おっと、脱線しちゃった。最後の4つめ行きます。
4. Taking Someone for Granted 「存在が当たり前だと思う」
It's easy to get into a comfortable routine with a significant other-especially if you have been together for many years. There is a difference, however, between feeling comfortable with a person and taking them for granted. Simply put, taking someone for granted means that you do not appreciate or acknowledge how that person contributes to the quality of, and the happiness in, your life. To keep your relationship healthy and fulfilling, express gratitude and appreciation for the other person. Each day, find at least one thing your partner does for you, or one thing in particular you love about them, and express your gratitude.
「大切な相手のことも、たやすく空気のような存在に感じるようになります。何年ものあいだ一緒にいれば、とくにそうなります。でも、人が空気のような存在になることと、いるのが当たり前だと思うことには違いがあります。簡単に言えば、いるのが当たり前になることというのは、相手がいかにあなたの人生の質や幸福に貢献しているかを評価しないとか、無視することを意味します。関係を健全で実りあるものにしつづけるために、相手に感謝の気持ちをあわらしましょう。少なくとも1日に1つは、パートナーがやってくれたこと、その中でもとくにあなたが愛おしく思うことを見つけて、感謝を示しましょう」
a comfortable routineを「空気のような存在」と意訳してみました。文字どおりには「快適な繰り返し」です。私たちが好きなタレントを「貴重な存在」だと思うのは、「一方的に目にするのに、じかには逢えない」という特殊な状態に置かれているからで、「じかに逢う」というのが貴重になるからこそ、そのタレントに会うためにわざわざ遠くにでかけたり、お金を払ったりするわけです。
でも、そのタレントの夫や妻はその人と毎日会っているわけで、その人は「こんなろくでもない人が、なんでこんな人気があるんだろう」と思っているかもしれません。
最後にこんな言葉で結んでいます。
Relationships are complex, and require constant nurturing. Avoiding the four issues above can prevent long-term stress and ensure a happy, healthy connection. However, if your relationship is experiencing significant turmoil, it may be necessary to seek professional help to rebuild and restore it.
「対人関係は複雑で、常に手入れが必要です。上記の4つのことを避けることで、長期的なストレスを防いで、幸せで健全な付き合いが保証されるのです。でも、あなたとの関係で深刻な問題に陥ったら、専門家の助けを求めて関係をやり直して補修していきましょう」
筆者はプロの心理カウンセラーなので、実際の記事には筆者のクリニックのリンクが張ってあります。
「これだけわかれば、もう対人関係に悩まないだろう!」と思ったかもしれませんが、そんなに簡単ではありません。前回も言いましたが(→過去ログ)、人は「無意識の習慣」が染みついており、対人関係がうまくいかない人もどちからと言えば、その「無意識にやってしまうこと」で関係をおかしくすることが多いからです。
それを変えるにはの『世界のトップエリートが絶対に妥協しない小さな習慣』(大和書房)でくわしく述べられている「マイクロ目標」を使うと効果があります。最後の最後は、筆者も宣伝、私も宣伝、ということで。
ほなさいなら。

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【新刊翻訳書のお知らせ】
『世界のトップエリートが絶対に妥協しない小さな習慣』(大和書房)を出版いたしました。ウォール街のトップエリート女性が書いた、「どうやったら目標を100%成功させて、人生を大きく好転させるか」を解説した本です。多くの人に役立ちすばらしい本ですので、ぜひご一読ください。くわしい内容については→こちらまで。





