過去で代用できない現在完了 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

今週のメルマガ(リンガランド英語塾第193号)に掲載された、Sallyさんの連載でこんな例文が出てきた。



I've already seen two (movies) this week.

「今週はすでに(映画を)2本見ている」



これを見て、塾で英語を教えているときに生徒さんから受けたある質問を思い出した。それは次のような内容だった。



「ある英語の本に現在完了は過去形で代用できるので、英語を使うときは現在完了にこだわらないほうがいい」と書いてあったんですが、それだったらそもそも現在完了なんていらないんじゃないですか。



質問の鋭さに面食らってしまった。



その生徒さんは「塾に来なくて受かる」というタイプの優秀な高校生(男性)で、参考書で学べるレベルをとうに超していたので、関心のままいろんな英語の本を読んでいたようだ。



私は「過去形では代用できない場合もある」ということで、いくつか考えたことを示し、どうやら納得してくれた。




では、どういう場合に代用できて、代用できない場合はどうなのかをここでもう一度考えてみたい。





一例として、登山の経験を聞かれて、「富士山に登ったことがある」と英語で答えようとすると仮定してみよう。たとえば、I've climbed Mt. Fuji.と答えるのは「あり」だろう。



これをI climbed Mt. Fuji.と過去形にすると不自然になる。なぜなら、過去形は過去のある時点の行為や状態を指し、通常は「その過去の時点はいつか」という了解か明示が必要だからである。



たとえば、I climbed Mt. Fuji two years ago.なら自然だ。これを「2年前に富士山の登ったことがある」と経験の意味にとれる。過去の事実でもいいし、経験でもいい例だ。



あるいはI once climbed Mt. Fuji.でもいいだろう。once(一度)と言うことで、それが「これまでの経験を見渡して」という含みが出るからである。



同様にI climbed Mt. Fuji twice.なら現在完了にしなくても、「富士山に2回登ったことがある」という、はやり経験の意味になる。考え方はonceと同じだ。また、最初のI have climbed Mt. Fuji.もonceやtwiceなどの頻度を表す表現が加わったほうが、英語として自然だ。



最初のSallyさんの例文も(メルマガの解説にあったように)I already saw two this week.と過去形でも表せる。already(すでに)があるので、「2回やってしまった」という完了のニュアンスを、現在完了なしで表現できるからである。



だから、これらの例では「現在完了形は、副詞を一緒に使えば過去形で代用できる」は正しいことになる。





だが、最初にいったように、そうではない場合もある。ごく単純な例としては、たとえばHe has been a physician for almost 40 years.(彼は40年近く医者をやっている)は過去形では表せない。過去形を使うと「現在は医者ではない」という含みになってしまうからだ。



この場合、時制を単純化するならHe is a physician for almost 40 years.と現在形を使うしかないだろう。



過去の行為は、副詞で「その影響は現在もある」と示せれば、本来なら現在完了で表すべき内容もこれらの例のように過去形で表せる。それに対して、「現在の状態」に言及する内容の文は過去形では表せない。





そのほかにも、This is the third time you have asked me the same question.(あなたが同じ質問をしたのはこれで三度目だ)のhave askedも過去形askedにはできない。



最初にThis is …(これが…である)と現在形で言っているので、その内容を現在と切り離した過去形で言うのがルール違反になるからだ。これはニュアンスの問題などではなく、厳密な時制のルールなので、副詞などで回避できない。



ところで、日本語では過去と現在完了をほとんど区別しないのだが、まれに区別できることある。



たとえば、いつも遅刻やすっぽかしの多いヒロシ君を話題にするとしよう。やってきた待ち合わせの場に、例によってヒロシ君がいない場合、「ヒロシは来た?」と「ヒロシは来ている?」のどちらの言い方も可能だ。




この場合、「来た」は過去、「来ている」は現在完了に対応する(「来た」が完了(=「来ている」)の意味の場合もあるので、これはあくまで便宜的な話)。



「来た」は「来たけど、またどっか行っちゃった」と言うことも可能だが、「来ているけど、またどっか行っちゃった」は不自然である(もちろん、「近所をぶらぶらしているだけで、すぐに戻ってくるだろう」といった含みなら自然だろう)。



この「来ている」は、分解すれば「来た。そして今いる」ということである。英語で厳密に表せばHiroshi came and is here.となる。



これを動詞1つで表せば、現在完了のHiroshi has come here.か現在形のHiroshi (already) is here.になる。Hiroshi came here.だけだと「いる」が表せていない。



こうやって考えると、現在完了のうち「現在」に触れなければならない内容は、過去形では表せないことになる。



このように過去の行為であっても、「現在に視点がある」にある程度の強制性があれば、現代完了は過去形で代用できない。



文法の簡略化が進む現在で現在完了は目の敵にもされることがないではないが、やはり使えるに越したことはないことは言うまでもない。









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