なぜ人は都心に移動するのか | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

アベノミクス効果は東京、名古屋、大阪などの大都市とその周辺が中心で、今回の内閣改造では、それをいかに地方に拡大するかが1つの大きなテーマになっていると報道されている。



その重責を担うのが、地方創生大臣の石破茂氏である。これは担当省庁を持たない、いわば肩書きのみのポストではあるが、そのぶん官僚に煩わされずに首相の意図をダイレクトに受け取って動くために、その権力は大きい。



石破氏は幹事長として能力を発揮できなかったが、勉強家で広く政策通である。地方のことにも精通していることもあり、この仕事をまかせるにはうってつけだ。



ところで、なぜここに来て、地方の疲弊が重要課題になっているのだろう。また、課題解決に向けて進むには何をすべきなのだろうか。





以前、本ブログでも何度も書いたのだが、日本の中央集権システムを根底で支えてきたのは東京大学の存在である。



これは「東京大学の知性が東京の発展に貢献している」などといった話ではなく(またおそらくそんな事実もない)、単に地方の優秀な学生が東京に集まってきて、卒業したら多くが東京にそのまま残って就職するから、という実に単純な話である。言うまでもなく、名古屋では名古屋大学、関西では京都大学がその役目を担っている。



地方は優秀な人材を質の高い大学の多い東京に送り込み、東京は稼いだお金を地方に還元することで成り立ってきたのが、これまでの日本の中央集権システムだった。



ただし、それだけでは「いま地方が疲弊している」という説明にはならない。東京大学は100年以上前から日本に存在してきたのだから、上の説明だけでは、今そうなっている理由にはならない。



「今」である理由は、これに2つの要素が加わったことだ。その2つとは、90年代から20年間以上続いたデフレ不況と少子高齢化である。



デフレ不況によって、これまで東京から還元されていた地方へのお金が細ってしまう。すると、地方は一方的に地元の貴重な人材を送り込むだけになる。



また、地方経済が細ると、塾や通信教育にかけらえるお金が減り、東京の大学に行かせる余裕もなくなり、東京が受け入れる人材の質も徐々に低下していく(ただし、後者はまだ問題として顕在化はしていない)。



また、デフレは少子化にも拍車を掛けることになる。子供を育てる経済的な余裕がなくなれば、それだけ子供を持たない夫婦が増えるのは当然だろう。優秀な学生は東京や関西までは行かなくても、その地方の大きな都市で就職することが多くなる。





結局、地方は疲弊していく一方である。ここでもう1つ問題が出てくる。それが高齢化である。



高齢化における問題の1つに夫婦のみ、あるいは独り暮らしの高齢者が増えることがある。



若ければたしょう不便なところに暮らしていても、自動車や自転車で移動すればいいのだが、年をとると距離は大きな負担になっていく。これは地方だけでなく、首都圏や関西であっても、郊外では顕在化しつつある大きな問題である。



社会が高齢化すると、広く日用品が買えるショッピングセンターなどが隣接する駅の近くに住むのが最も楽になる。東京においても人が郊外から都心に移動しているが、高齢化すれば電車移動が便利な都心に住みたがる人が増えるのは当然のことだ。



だから「地方」と同じように、実は大都市の「郊外」も密かに疲弊しつつあるわけだ。



地方の疲弊に拍車をかけるのは、地方都市が「駅を中心に発展している」という従来の形を失いつつあることである。駅の近くで買い物ができなければ、イオンなどの大きなショッピングセンターに車で出かけるのが最も便利になる。だが、そのライフスタイルが維持できるには高齢者になるまでである。



地方であっても、駅の近くにショッピングセンターなどの諸施設が集まっているところは、こういった問題が起きにくい。それは、若い人も駅の近くが便利だと思って、できるだけのその近くに住むので、人の入れ替わりがある程度進むからである。





そうやって考えていくと、「地方の疲弊」とは、大型ショッピングセンターの出現で町が拡散化してしまったことの反動ということになる。



もちろん、住人の平均年齢と人口が一定であれば問題にならないのだが、施設が拡散化しているほどお年寄りが住みにくくなるので、高齢化に伴って、空き家が増えざるをえなくなる。



その極端な例が東京である。駅に近い都心のマンションの需要はどんどん高まっている。車を使わずに移動できるところほど人気になっている。そのため、郊外の地価は下がるのに、都心の住居地区は地価が上がる一方である。



これ以上、地方を疲弊させないために必要なのは、車の移動を前提としない、駅を中心として施設を集約した住宅地を整備すること、いわゆるコンパクトシティ化である。町をコンパクト化できれば、どんな年代でも住みやすいだけでなく、電気や水道などインフラや住民施設などへのコストも下がる。



とくに境域施設の拡充は町の発展にとって大きな要因である。地元住人の居住地区に必要な施設できるだけ集約して、個性のある魅力的な学校を持てるかどうかは、長期的にその町の人口や経済力を決めることとなる。



現在、移民の受け入れの議論がさかんだが、その前に町のコンパクト化をなるべく早く達成することを少子高齢化への対策として優先すべきだ。



蛇足ながら、現在の「都心のマンションブーム」はそのことにいち早く気づいた人たちが、郊外の住居を売り払って都心に移動していることの現れだと考えるとわかりやすい。



これからは、駅から近いかどうかがこれまで以上に重要な要素となるはずである。










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