「恐怖」を知らない女性 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

最近ちょっとだけ話題になっている44歳のある女性のお話です。当初はさほど関心がなかったのですが、続報などを読んでみると意外とおもしろかったのでご紹介します。もともとは医学雑誌Current Biologyの論文からだそうですが、ありがたいことに、ブログでわかりやすく解説している専門家がいらっしゃいました(→リンク)。



彼女は脳にある種の障害があって、どんな状況にあっても文字どおり恐怖を全く感じなくなっているそうです。ウルバッハ・ビーテ病(Urbach-Wiethe disease)と呼ばれ、かなり珍しい病気です。1929年から300足らずの症例しかなく、染色体異常が原因だと知られています(説明がちょっとばかりややこしいので、関心がある方は原文を図とともに参照してください)。



この女性はイニシャルをとってSMさんと呼ばれています(意外なことに、子供が3人いると、あとのほうで記述されていました)。



SMさんはこの20年間、ずっと被験者になっており、視覚記憶に障害があるほかはIQが低いくらいであとは問題は見つかっていません。生活面では、社会性にやや問題が見られ、人の表情などが読み取れないほか、お金がなくなることに対する恐怖心が見られず、平気で大きなリスクを冒すことがあるそうです。



アイオア大学(the University of Iowa)のジャスティン・ファインシュタイン(Justin Feinstein)氏とその研究チームによって、彼女の恐怖心について実験と観察がおこなっています。



たとえば蛇や蜘蛛を近づけるというもの。事前に彼女に聞くと、蛇や蜘蛛は嫌いだし避けたいと考えているのですが、実際に目にしても怖がる様子は皆無です。



次に、ケンタッキー州の有名な廃墟心霊スポットであるウェイブリ・ヒルズ結核病棟(Waverly Hills Sanatorium)に連れて行って、真っ暗な中かお化けや死体などの格好をした人を用意しました。でも、何があってもひるむことなく進み、彼らを目にすると笑ってばかりいました。



最後に『リング』のような代表的な恐怖映画を見せてみました。あとで聞くとおもしろかったというのですが、恐怖シーンで怖がる様子は見られませんでした。



ただ、子供の頃は恐怖心はあったそうで、墓地で兄に脅かされて声を上げて逃げたことがあるとか。つまり、彼女は恐怖心がどんなものかは理解していて、しかも、人の声から怖がっている様子を感じ取ることはできるそうです。ちょっと不思議な気がします。



彼女はもともと貧民地区に住んでいたために、過去にも薬物中毒者にナイフを喉につきつけられたり、家族に拳銃を向けられたりしたそうです。普通ならトラウマになりますが、当時も慌てた様子もなかったようです。



最後にどうしてこういった症例が起こるのか分析しています。恐怖心というのはあまり味わいたくない感情ですが、それがないというのはまた別問題。「どんな悪感情でも、全くないよりいくらかはあったほうがいい」と考えてしまいました。みなさんはいかがでしょうか。



クリスマス・イブにふさわしい話題を探したのに、ついこんなのに夢中になってしまいました。メリークリスマス!



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