続々・あえて訳読擁護論 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

前回、以下の英文を見ました。


The Lamba have many customs and regulations that tally with Jewish tradition.



また、この英文に対して、2つの訳を示しました。直訳と意訳です。



直訳「ランバ族はユダヤ人の伝統を刻み込んだ多くの習慣と規則を持っている」

意訳「ランバ族には数多くの習慣と規律があり、それらにはユダヤ民族の伝統が刻み込まれている」



まず、直訳とはそもそも何でしょうか?



それは、「文法ルールに従って作った訳」と言っていいでしょう。学校で学んだ文法を使い、それを日本語のルールで移し替えたものです。



文法を、英語話者は無意識に使いこなしていますが、学習者は意識的に利用します。日本語であれば私たちは文法を考えることなく読むことができますが、英語を読む場合は、文法ルールの意識化が必要です。



では、このときに意識しなければいけない「文法ルール」とはいったい何でしょうか?



簡単にいえば、日本語と英語の構造の違いです。「主語のすぐあとに動詞が来る」というのは日本語にない英語のルールです。ないからこそ、それを「ルール」として覚えておかなければなりません。



しかし、文法を覚えたからといって英語の意味がすぐにとれるようになるわけではありません。意味をとるには意味を考える必要があります。ところが、文法のほうに意識がいくと、意味を考える余裕がないのです。



学習者の意味のとり方は次の3段階があります。


1. 英文の構造を知っている文法に照らして考える。

2. それぞれの単語を、構造に適した意味にする。


3. 単語を日本語のルールでつないで考える。




たとえば、The Lambaでは、まずtheが前にあり、文の最初に来ていることから名詞で主語だとわかります。また、Lambaが大文字ではじまっていることから、固有名詞ではないだろうかと検討がつきます。辞書を引くときも、名詞でおそらく固有名詞だと予想して引くはずです。



たしかにここの部分は簡単ですが、関係詞の前後(=先行詞+関係節)も同じように考えることができるでしょうか?



many customs and regulations that tally with Jewish tradition



こういったところは、初級者にかなり難しく感じます。それは、日本語にない文法ルールが複数絡み合っているので、複雑に感じるからです。



まず、haveのあとは「何を持っているか」という目的語が来ます。だから、名詞です。次にandがあるので2つの単語を並べています(これは前回見ました)。



ところが、thatのところにはいくつかの可能性があります。tallyは動詞ですが、もしtallyが名詞に見えれば、辞書には名詞の意味があるので、that tallyで「その記録」といった意味だと考えるかもしれません。



また、直感的にwith Jewish traditionがhaveにかかると感じたひとは「ユダヤ人の伝統とともにXを持っている」に見えますし、tallyを名詞だと思ったひとは「ユダヤ人の伝統とともにあるその記録」と見えるでしょう。もちろん、いずれも誤りです。



そう見えないためにはhaveのあとに名詞が2つ並ぶことが通常ありえず、もし並ぶとしたら後ろが前の言い換えになる、といった知識が必要です。



上級者にはなんてことのない英文ですが、上記のように、そうでないひとには、たとえ文法力がある程度あっても読み間違う可能性があります。



もし「日本語訳にする」という作業を否定して、「英語のままで意味をとれ」と言われたとしたら、そのひとはせっかく力をつける機会を失ってしまいます。



続きます。



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