天国からの伝言【第4話】 | 【大阪・梅田】ねこ店主のひとりごと

【大阪・梅田】ねこ店主のひとりごと

ねこ店主のおばかさんでちょっと不思議なひとりごと。

 

この部屋に時折、自分以外の誰かがいる

のは感じてはいたが、正直いつもの事だと

やりすごしていたのだった。

今は亡き祖父のポマードとクリーニングの

仕事場の懐かしい匂い。



大人になって忘れかけていたそれは
幼少の頃の記憶に刷り込まれた「嗅覚」と

いう手掛りとなって、一瞬にして幼い頃に

僕を引き戻した。




「確かに…爺様が来てる」と確信した僕は

群馬の墓参り以来だなと思った。

ただ、こんな商売をしているくらいだから

別に驚く事ではないが、だからこそすぐに

逆に考えてしまう。



何を伝えたかったのだろうか?…と。



とりあえず、新しいパソコンは
アドバイスを頂いたマシンに決めて

ネットで注文してからふと考えた。





そういえば、半年程前…





そのクリーニング店の後を継いだ
母の弟で僕の大好きなおじさんが

脳梗塞で倒れた。






奇跡の連鎖で、全てに迅速な対応があり
後遺症もなく、現在は以前通りに仕事に

復帰している。



「もしかして…おじさんの身に何か?」



そう思った瞬間、実家の母の携帯に

電話を掛けてみた。







母は僕の力を信じている。






実際、本当の事(霊的な力がある事)
を伝える事が出来たのは、40歳を
過ぎてからのことだったのだが…





ちなみに…
階段の昇り降りにも苦労していた
母の膝を、渾身の気功施術で治した
のがきっかけで、帰省して僕が母に
施術するのを首を長くして待っている。



たまには親孝行しないとね。
そこの…あなた。



「あんたがそう言うんなら…
今日は遅いから明日一番で田舎に
電話してみるわ。まぁ何かあったら

向こうから連絡があるだろうけど。」




翌日、母からおじさんは変わりなく

元気にしているとの報告があり…

その時ふと思った。


おじさんの病気の再発じゃなかったら
何だったんだろう。




しかし、すぐに点と点が繋がった。




爺様が僕に伝えたかったのは
仕事用のパソコンが潰れる前に
新しいパソコンにデータを移せと
いう事だったのかと確信した。



その為に
自宅のパソコンを潰した…のか。



まぁそうでもしないと
まだ元気で使い勝手のいいパソコンを
僕が買い替えようとは思うまい。





なんせ僕が当時、履いているブーツは
もう15年目に突入していたくらい。

少し高くても、気に入ったいいものを

手に入れて大切に扱う主義なのだ。


確かに安価なものでも、いいものも

気に入ったものもあるが、やはり思い

入れは違うかも知れない。






何度もカカトを張り替えて愛用している。





恐らく、購入価格と同じくらいの修理代を

かけているが理由は簡単。15年の間に
そのブーツを超える逸品と出会わなかった

からだ。

ALDEN や RED WING
CHIPPEWA や Dr.MARTENS…



沢山のブーツの中から選んだ「相棒」は
今日も僕のオフィスの玄関にちょこんと

佇んでいる。






またまた、話が飛んでしまったが
要は慎重な僕に決断させる為には
少々粗いやり方だが、そうでもしないと
僕がパソコンを買い替える事をしないと
踏んだ祖父らしいやり方だったのかも
知れない。




そう言えば…
ある夏休みに母の実家に帰省した時
ライフル銃を触らせろと爺様に駄々を

こねたら…爺様は銃に実弾を込め

裏庭で壁に向かって躊躇なく発砲した。

確かに大きな音だったが
TVのドラマやアニメで聞く「バキューン」

ではなく「パーン」という乾いた音だった

と記憶している。


「ほれみろ~あぶねぇっぺ?んっ?!」


と笑顔で言った祖父に素直に従った。




当時からワイルドな人だったのだと思う。
あぁこの人の血を確かに継いでいるのだなと
今は少し嬉しく思いながら思い出をなぞった。








「という事は…この仕事用パソコンも
近いうち潰れるってことやんなー」と

思いつつ、データの移行作業を早く進め

ねばと思いデータの引っ越しソフトを

探していてこれにしようかと思ってると

また…あの匂いが




爺様がこれにしろって言ってるわと思い
躊躇なくネットで注文した。





しかし

僕は大きなミスを犯していたのだ。





しかも、パソコンを買い替えるのが
祖父が僕に伝えたかった「本当の意味」

ではなかったことをその時は…




知る由もなかった。




それが、命に関わる「重大な理由」
であることさえも…。






つづく