その時…聞こえてきた彼女の意外な
「心の声」とは?
「何で涙が出るのか
わからないですぅ…」
そりゃそうだ。
彼女にしたら、現世での自分の性格
が前世の影響だったとは…思っても
いなかったからだ。
スピリチュアルなことには多少興味
はあるものの、どちらかと言えば…
霊的な世界の事は怖いからあんまり
知りたくはないという「超ビビり」
のタイプ。
いきなり…前世があーだこーだと
言われても困るけど、前世からの
影響によるという証拠がその涙。
悲しくて泣いているのではなくて
今の自分が覚えていない心の奥底
にある「前世の記憶」が当の本人
を泣かしているのだから。
とにかく、怖いだけでは心の扉を
閉じてしまうので少しだけ開けて
おいてもらえる様、穏やかに言葉
を続けた。
ただ、このトラウマは簡単に消去
できるものではない。まずは時間
を掛けて、僕自身が彼女に信じて
もらえる様になるところから始め
ねばならない。
彼女が前世で体験した壮絶な出来事
は、今世での人との関わりに大きな
影響を与えていたのは間違いない。
彼女に伝えたその背後に視えた情景
をここでは割愛するが、まぁ僕でも
人間不信になるだろう。
ある意味…
今世でテロリストになったとしても
おかしくない程、群衆に対する憎悪
をその心の影に隠していたとしても
仕方ないと思えるのだが、彼女の魂
は決して恨みや敵意というものでは
なく恐怖と悲しみに支配されていた。
結局、彼女は
その怯えから友人や家族に対して迄
本当の本心を明かせぬままに人生を
過ごしてきたのだと思う。
大切なのはそのトラウマを乗り越え
「人を信じる」という学びを得る為
今世に生まれ落ちたということかな
と感じた。
それでも…有り難かったのは、彼女
が少しずつ僕という人間を信じよう
としてくれたこと。
定期的に僕のカウンセリングを受け
てくれたので、少しずつでも自分と
いう「存在の大切さ」を認め始めた
のだが、実際に自らの「心の氷」を
溶かして、自分に自信を持ち、前向
きに生きていける様になるまで…
この後、約数年の時間が必要だった。
そんなこんなで…
セッションでは、彼女のエステの事業
に関するビジネスのコンサルタント的
な役割から、仕事以外の今後のプライ
ベートの関係に至る迄スピリチュアル
カウンセリングとしてお話をした。
毎回、些細なことで喜び、些細な事で
涙するという感じ。今後の彼女に本当
に必要なのは…単に、優しいだけでも
厳しいだけでもない、安心して本気で
相談ができる「信頼できる人」なのだ
と思い、良き相談相手になってあげら
れたらいいなと思った。
それから…数か月が経過し、少しづつ
信頼関係が出来つつあるかなと感じて
きたある日、彼女が突然思いもよらぬ
お願いをしてきたのだった。
つづく
